いわゆる「働き方改革」がそこかしこで話題になっている昨今、長時間労働が必ずしも生産性向上につながらないことは、いずれの企業も気づいているはずだ。特に過酷なイメージがつきまとうIT業界では、労働効率を高めるだけでなく、常にイノベーティブなサービス/製品を生み出すことも求められる。改革に向けて前向きな姿勢ではあるものの、現状をどう変えたらよいのかわからず、二の足を踏んでいる企業も多い。
アイ・ティ・アールが10月4日に開催した年次カンファレンス「IT Trend 2018」では、Pivotalジャパンでマーケティングマネージャーを務める渡辺 隆氏が登壇。「シリコンバレー企業にみるデジタル時代の働き方 - ツール、プロセス、そして文化」と題し、リーンスタートアップの手法を取り入れる同社がグローバル共通で展開する”働き方”について、実際の開発風景も交えながら紹介した。
新しいモノ/サービスをどうやって生み出すのか?
「デジタル変革で重要になるポイントは、(技術面では)IoTやAI、マネジメントの視点から言えばこれまでにない新しいモノを作っていかなければいけないということだと思います。さらに、変革に2年も3年もかけてはいられないのでスピードも必要です。そこで、『じゃあ、どうやったらいいのか?』というのが皆さんの悩みなのではないかと思います」
登壇した渡辺氏はこう切り出すと共に、米国カリフォルニア州に本社を構えるPivotal Softwareについて簡単に紹介した。2013年に設立し、世界各地に約30拠点を構える同社は、OSSベースのクラウドネイティブ基盤「Pivotal Cloud Foundry」(以下、PCF)の提供と、アジャイル開発支援サービスを主軸に事業展開する。
このうち、アジャイル開発支援サービスでは「Pivotal Labs 東京オフィス」に毎朝顧客企業の社員が出社し、Pivotalの社員と一緒に実際のプロダクトやサービスを開発していく。その過程で、スピード感を持って新たなビジネスを創出するための”働き方”も体験できるという仕組みだ。
では、新しいサービスをどうやって生み出していくのか。デザイン思考で考えようというケースもあれば、RFPを書き始めるところもあるだろう。
ここで、「リーンスタートアップ」と「アジャイル開発」、「ユーザー中心設計」で進めていくのがPivotal流のフレームワークだ。具体的には、リーンで言う最小限の機能を持った「MVP(Minimum Viable Product)」を作り、機能改善を短期間で繰り返していく手法となる。
まず、ある程度仮説を立ててスコープを決め、それに対する課題を見つける「ディスカバリーセッション」を実施する。挙がった課題に優先順位を付けていき、”一番重要な問題”を定義したら、今度は「フレーミング」によって解決策を挙げ、絞り込む。その結果、仮説として”最良のソリューション”を定義し、アジャイル開発思考で1週間程度のサイクルで反復を繰り返しながらモノを作り上げていく。ディスカバリーとフレーミングで1カ月、残り3カ月でMVPを作った後は、ユーザーインタビューなどを行いながら構築/計測/学習を繰り返す。
こうした一連のプロセスは、プロダクトのビジネス価値を考える「プロダクトマネージャ」、顧客/ユーザー視点でプロダクトを考える「プロダクトデザイナー」、プロダクトを開発する「デベロッパー」の3つのロールがチームを組み、協調しながら実施していく。
「ウォーターフォール的な発想だと『要件定義の後、PMとデザイナーは何をするの?』と思うかもしれませんが、ここで面白いのは、常に3つのロールが一緒にやっていくというところです」
では、そんな彼らは日々、どういう働き方をしているのだろうか。
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