国内の主なRPAツールは? 導入のポイントは?
では、今国内ではどのようなRPAツールが利用され始めているのだろうか。小林氏は、「国内での主なRPAツール」として、「blueprism」「AUTOMATION ANYWHERE」「UiPath」「BizRobo!」「WinActor」を挙げた。
「blueprismとAUTOMATION ANYWHEREは比較的近い位置付けにあります。いずれも大量トランザクションを処理する場合に、非常に効果的です。blueprismはヨーロッパを中心に実績を積んでおり、AUTOMATION ANYWHEREは米国シェアNo.1で非常に伸びています。ただし、構築・運用の難易度は高いので、専門部隊で取り組むことが必要です」
これらの製品についてはライセンス自体が比較的高額なため、ミニマムの導入コストも高くなるという。一方、UiPath、BizRobo!、WinActorに関しては、中小規模の運用に対応する。
「UiPathは、UIにChromeやFireFoxなどIE以外のブラウザを使えるほか、基幹システムとの接続性が高い点が特徴です。導入コストも、ライセンスで言えば数十万円からスタートできることもあり、今、国内外で躍進中の製品です。
国内実績No.1のBizRobo! は、その実績の豊富さから選ばれることも多い製品です。UiPathとの差異は、システムの接続性は限られる部分があるという点でしょう。
WinActorは、NTTアドバンストテクノロジーが開発する国産のRPAツールで、現在日本語のインタフェースを持つ製品はこれだけです。その取り組みやすさから、導入企業も増えています。(基幹システムとの)接続性に関しては、UiPathには劣るものの、画像認識などを駆使することである程度は接続可能です。
これらの製品のなかで、プログラミング知識がなくても利用できるのはWinActorのみです。UiPathも使いやすいのですが、やはり若干のプログラミング知識が必要になるので、システム部門が運用するしかないように思います」
導入にあたって失敗しないポイントは、まず「最も接続したいシステムにつながるかどうか」を確認することだという。無理に接続しようとするとコストがかさむ。そのため、選択肢に上がっているシステムが自社の基幹システムと接続できるかどうかを確認した上で、スモールスタートで徐々に育てて行くというのが一般的な手順となる。単一部署で個人作業の一部を代行するようなかたちでスタートさせ、運用ルールを策定した後、複数の部署に拡大し、業務フロー全体を自動化していくイメージだ。
小林氏は、「RPAツールの導入効果を最大にするには、取り組みのなかに業務改革の視点を取り入れることが重要です」と強調した。
高度にIT化された未来への「準備」
同社のグループ会社では人材派遣サービスを展開しているが、パーソルプロセス&テクノロジーでは、RPA関連サービスを提供している。一見、相反するサービスに見えるが、これはパーソルグループが「人から仕事を奪うことを目的にしたRPAではなく、人の力を『活かす』RPA」を目指して取り組んでいるものだという。
例えば、パーソルプロセス&テクノロジーが展開するRPA導入支援サービスでは、コンサルティングから開発、導入、運用支援に加え、RPA専門の人材派遣までをワンストップで提供する。派遣されるのは、事前にパーソルプロセス&テクノロジーがRPAに関する教育研修を実施したパーソルテンプスタッフの登録者となる。ルーティン作業はロボットが行い、人にしかできない業務は引き続き人が行う、人とロボットが共存する業務運用というわけだ。
また、パーソルテクノロジースタッフは、RPA分野のシステム開発未経験者を研修・育成し、企業へ派遣する「RPAトレーニング講座」を12月16日より開始するとしている。
この先、AIの実用化が進めば、知識量が必要な部分はAIが担うようになり、定型的な操作はRPAによって自動化するという流れが生まれてくるだろう。「AIが本格的に実用化される前段階の今、『ロボットに何を任せるか』という土台をどれだけ作っておけるかが、企業の成長の大きな分岐点になる」と小林氏は力を込める。
「RPAの導入と、それをさらに加速させていく『人』の創出がグループの使命です。私たちは、そうした携わり方ができる人材を育成していきたいと思います」
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