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エンドポイントにフォーカスせよ! 働き方改革で目を向けるべきは「人」

[2017/11/20 07:30]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

フォーカスすべき「3つのポイント」

まず、1つ目の「いつでもどこでも働けるようにする」ためには、ユーザーの選択肢を増やすことが重要になる。例えば、働き方改革の機運に乗ってテレワークを導入したり、安全なモバイルデバイスの持ち出しによってエンドユーザー環境を軽く(シンに)したりする。またBYOD(私有デバイスの業務利用)を認めるなど、ユーザーに選択肢を与えるといったことだ。

同時に、評価に対する考え方を変えることも必要だという。例えば、会議の内容やコミュニケーションの質で評価したり、従業員満足度を評価し、部門間で競争したりといった工夫だ。

「ある企業はテレワークを全社員の7割で利用可能にしました。週2日までの1日在宅と直行前・直帰後勤務の2パターンがあり、リモートデスクトップやWeb会議、ノウハウ共有ツールを利用しています。利用した人の78%が『生産性が向上した』と答え、上司に至っては89%が生産性向上の成果を認めました。ただ、テレワークでは仕事の手順化や工数の見積もりを行うなど、長時間労働にならないような工夫も必要です」(針生氏)

針生氏は同様に、ユーザー環境をシンにしたり、BYODプログラムを導入して社員の生産性を1日あたり47分向上させた事例などを紹介した。

2つ目の「スピードを上げる」ためには、いかにムダを省けるかがポイントだ。ある小売業では、複数台のクライアントPC所有など、設備への過剰な投資をやめて、デバイスをノートPC1台にした。シンプルにすることでわかりやすくなり、ムダのない仕事ができる可能性が広がるという。

また、ある製造業では、事務的・作業的なワークロードを減らすことを目指した。Web会議や予約システムなどを活用して会議時間を削減したほか、クラウドサービスを使った経費精算作業の削減、SNSやチャット、グループウェアを使ったメールからの脱却、タブレットや電子掲示板を使ったペーパーレス化を進めたのだ。

「PC作業のムダを削減するためには、定型業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)も期待できます。200件のデータ確認が1分で完了したり、人手で4~5時間の作業が30分になったりといった成果が出ています。RPAは夢のロボットではありませんが、PC業務を大幅に自動化できる可能性があります」(針生氏)

3つ目の「仕事の質を上げる」では、新しいテクノロジーの活用がポイントになる。仕事の質を上げるのは、決して簡単なことではない。だが、「そもそも仕事の質が悪いとはどういうことか」から考えれば改善の道筋も見えやすくなるという。

例えば、試行錯誤が必要なら、それを計画的に行うようにする。複雑なマニュアルが必要なら、トレーニングの質を高める工夫をする。情報が散乱しているなら、整理する。危険な職場なら安全性を高める。そういった発想で見ると、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などは仕事の質を大きく向上させるテクノロジーとなる。

実際、ウェアラブルデバイス、VR・ARは、病院や建設、自動車、製造などの業界で、シミュレーションやトレーニング、デジタルツインを使った予兆検知、検証、メンテナンスなどに活用されているという。

成功する働き方改革のための「7カ条」

これらのポイントを踏まえた上で、企業はどのようにデジタルワークプレースを推進していけばよいのだろうか。まず重要なのは「マネジメント層のやる気」だ。

針生氏は「あるべき姿を明確化し、企業としての目標を設定することが必要です。そして、優先順位を決定し、仕事の質の向上とは何か、顧客満足とは何かを突き詰めていきます。テクノロジーを知るCIOは、経営や人事、ビジネス部門を一体化させる上で大きな役割を担います」と説明し、働き方改革における成功のポイントを7カ条にまとめて紹介した。

働き方改革における成功のポイント7カ条/出典:ガートナー(2017年11月)

「いつでもどこでも、利用者にとって早く、より満足度の高いエンドユーザー環境を提供することを目標にしてください。エンドユーザー環境の変化を捉え、将来に向けたデジタルワークプレースを設計することが大切です」(針生氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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