「走行画像データ×AI」でスバルが挑む自動運転の次なるステップとは?

[2017/09/15 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

東陽テクニカ主催による「東陽ソリューションフェア 2017」が、9月7日、8日の2日間にわたって都内で開催された。「最新計測が拓く、クルマの未来、セキュアな明日」をテーマとして掲げたこのイベントでは、「Future of Transportation(移動技術)」と「Security for the Future(サイバーセキュリティ・防衛セキュリティ)」という2大テーマにフォーカス。近い将来に日本が直面するであろう課題についての基調講演・特別講演と合わせて、そうした課題解決のために必要とされている「計測技術」のソリューションに関する各種セミナーや展示が行われた。

初日の基調講演には、SUBARU 統合制御統括上級PGMの樋渡穣氏が登壇。「スバル アイサイトの開発責任者が考える自動運転の意義について」と題する同氏の講演では、同社独自の運転支援システム「アイサイト」の28年にわたる開発の歴史と、この先の自動運転技術や、それを支える品質向上技術について解説がなされた。

航空機メーカーのDNAが生み出した自動ブレーキ技術

かつて東洋最大の航空機メーカーであった中島飛行機を源流とするスバルは、その黎明期から「技術は人のためにある」という思想に基づき、高い安全性能を目指してビジネスを展開してきた。航空機メーカーとしての発足から今年で100周年を迎えた同社は、4月には社名を「富士重工業株式会社」から「株式会社SUBARU」に変えるなど、次の時代へのステップを踏み出している。

スバルの電子制御の品質から新価値創出まで幅広く取り組んでいる樋渡氏は、冒頭で同社100年の歴史を振り返り、次のように語った。

「『事故に至らせない』ことを目指した当社の安全思想は、航空機メーカーのDNAとして脈々と受け継がれてきたものです。1958年発売の「スバル360」からこれまで、まずは人を乗せてみてクルマを開発するなど「人を中心に据えたクルマ造り」を一貫して掲げ続けてきました。そんな安全に対する姿勢が、当社独自の運転支援システム『アイサイト』の実現に繋がっています」

SUBARU 統合制御統括上級PGMの樋渡穣氏

同社では、独自の安全思想に基づいて、「0次安全」「アクティブセーフティ」「プリクラッシュセーフティ」「パッシブセーフティ」の4つの分野に注力している。このうち0次安全は、安心の視界設計や運転しやすいポジションなどスバル360の時代から一貫して行われているもので、アクティブセーフティは、シンメトリカルAWDの基本性能の高さに加え、さらに安全性を高めるシャシー制御技術などで未然の事故回避につなげている。また、衝突安全技術であるパッシブセーフティに関しては、万が一のときに乗員や歩行者を守るクルマづくりの技術を1965年から磨き続けている。

そして今回のテーマであるアイサイトは、プリクラッシュセーフティ領域の技術であり、危険を予測して衝突の回避や被害の軽減策につなげるものだ。そのアイサイトを特徴づける大きなポイントの1つが、スバル独自のステレオ画像認識技術にある。

「我々は『人の眼と同じでなければ、人の命を救えない』と信じているからこそ、ステレオ画像認識技術にこだわり続け、試行錯誤を繰り返してきました」と樋渡氏は強調する。

同社のステレオ画像認識技術では、左カメラ映像と右カメラ映像のズレの大きさから対象物との距離を測ることができる。そして距離画像から距離と速度を解析し、危険だと判断したら自動的にブレーキをかける仕組みとなっている。

スバルのステレオ画像認識技術

この技術の特徴として、歩行者や自転車を至近距離0mまで認識可能である点、あらゆる環境下で向上させた認識性能を有する点、認識から車両制御まで全て行う「一体型センサー」である点が挙げられる。

「世の中のプリクラッシュセーフティ技術には、センサーやレーダーなどさまざまな方式がありますが、それらでは危険を検出できないケースもあります。対してステレオ画像認識技術の強みは、物性、形状にかかわらず危険を検出できる点です。つまり、本当に『使える』自動ブレーキシステムが実現できるのです」(樋渡氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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