NECは8月30日、長崎県諫早市に土砂斜面の危険性の変化をリアルタイムに見える化する「土砂災害予兆検知システム」を構築したと発表した。同システムは、諫早市飯盛町の土砂災害特別警戒区域内にて今年4月から稼働を開始している。

土砂災害予兆検知システムは、NECが開発したデータ解析技術を活用したもの。土砂に含まれる水分量のみから斜面崩壊の危険度を算出することができ、斜面に設置して土砂に含まれる水分量を測定する「センサー子局」、複数のセンサー子局の測定データをまとめてクラウドに送信する「中継局」、測定データを蓄積・解析するクラウドサービスで構成される。

センサー子局の設置イメージ。斜面に設置するだけで土砂の水分量を測定できる

土砂災害予兆検知システムの画面イメージ

今回、同システムのモデル的導入により、諫早市では土砂災害の予兆検知につながる情報の取得とともに、8月から開始した「発令判断支援システム」との連携によって土砂斜面の危険性や降水量のアラート通知などを統合的に管理することで、迅速な避難勧告・指示に役立つことを期待するとしている。