アドバンスト・メディアは8月22日、音声認識を活用した建築工程管理のプラットフォームサービス「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム」を9月1日より販売開始すると発表した。

同サービスは、建築図書の保存・管理、配筋検査、背筋写真管理、建築仕上げ検査の各現場における業務を効率化するというもの。これらの業務の大部分はこれまで手作業で行われており、アドバンスト・メディアでは新サービスをフル活用することで、従来比約40%の作業時間削減を実現するとしている。

合わせて、同プラットフォームの音声入力機能部分のみを活用できる音声入力インタフェース「AmiVoice スーパーフロントエンダー」も同日より販売を開始することが発表された。

発表会には、アドバンスト・メディア 取締役 ビジネス開発センター センター長 立松克己氏および同社 ビジネス開発センター 事業開発部長 藤枝 章氏が登壇。建設業界が抱える人手不足の問題と、その解消を業務効率化の角度からサポートする新サービスの機能について解説がなされた。

ICT化が進まない!? 人手不足に困窮する建設業界の実情

建設業界は、1990年前後のいわゆるバブル期に需要と就業者数のピークを迎え、その後低迷期が続いていたが、近年、建設需要にも回復の兆しが見られ、2020年の東京五輪に向けてさらに伸長することが期待される。

登壇した立松氏は「建設業界では深刻な人手不足に直面しています。大手ゼネコンで構成される日本建設業連合会でも、この7月に時間外労働の適正化についての指針を発表し、働き方改革を進めていこうとしている状況です」と説明する。

アドバンスト・メディア 取締役 ビジネス開発センター センター長 立松克己氏

建設業界内でもICT化を進めようという動きはあるが、ITになじみのないスタッフも多く、実際にはなかなか現場に浸透していないのが現状だ。加えて、国土交通省が算出した「年齢別の技能労働者数」によれば、建設業界の高齢化が進んでおり、数年後には大量の技能者が退職期を迎える見込みとなっている。

こうした背景から、独自の音声認識技術「AmiVoice」を中心に事業展開するアドバンストメディアでは、昨年1月より、建設業界向け製品・サービスを次々にリリースしてきた。

なかでも昨年4月にリリースした「AmiVoice スーパーインスペクター(建築仕上げ検査用)」のiOS版は、リリース後約1年で50社に採用され、「ほかの工程検査用のサービスも欲しいという声が挙がった」(藤枝氏)のだという。そこで、同サービスを刷新し、業務カバー範囲を広げてリリースされたのが、「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム」というわけだ。