HoloLensで春服を仮想試着
2つ目は、ウェアラブルとVRで新しい顧客体験を作り出しているアパレルショップのストーリーだ。ペルソナはミレニアル世代で独身キャリアウーマンのMeganと、店舗の買い物相談係/営業担当の女性Joanだ。
この店舗では、顧客の好みを登録したり、洋服にセンターをつけて正確な採寸を行ったりすることで、よりよい商品を顧客にレコメンドできるシステムを導入している。ある日、得意客であるMeganは、スマホアプリを使って来店を予約し、Joanにコーディネートを相談した。
予約を見たJoanは、春コレクションのなかからMeganの好みを知り、機械学習機能でレコメンドされた洋服や靴、鞄などを使ったMegan専用のルックブックを作成。Meganはこのルックブックの中から気に入ったものをあらかじめ登録。すると、予約当日には、HoloLensを使って、さまざなコーディネートを仮想的に自分で試着することができるようになる。
「HoloLensやKinectを使ったミックスリアリティ(MR)では、服や靴、鞄などのさまざまな組み合わせを顧客自身が目で見ているような感覚を体験できます。鞄を机に置いたときにどう見えるか、持ったときにはどう見えるかなどを確認しながら、本当に合った商品を選択していくことができます」(星野氏)
店舗スタッフ病欠時のシフト調整もAIボットが対処
3つ目は、クラウドソーシングやデジタルチャネル、チャットボットを活用した労務管理を行うチェーン店のストーリーだ。ペルソナは普段はサンフランシスコの大学に在籍している営業販売スタッフの女性Jenと、ロサンゼルス店舗の店長Jillだ。
Jenは普段サンフランシスコ店で働いているが、大学の休み中は実家のロスに戻っていた。休み中はロスの店舗で働きたいと思い、スマホアプリに自分のステータスを入力した。アプリではそれぞれのスタッフの状況を確認できるようになっている。Jillとスタッフはこのアプリでシフトを管理している。
あるとき、Jenは家庭の事情で突然、休みをとらなければならなくなった。アプリにはHRボットという機能があり、話しかけることで、代わりにシフトに入ってくれそうな人を探すことができる。Jenはさらにボットを使ってJillに休みの申請を行うこともできる。
「ボットにはAIが組み込まれていて、社員IDの確認や、スケジュールの確認、代理の申請、休暇の申請などをスマホから簡単に行うことができるようになっています。店長やスタッフにとつても、シフト作成は大きな負担ですが、新しい技術をうまく使うことで、戦略的な労務管理が可能になります」(星野氏)
同様の取り組みは世界で進展中
この3つのストーリーには、VRやAR、AI、IoTといったさまざな先端技術が含まれている。仮想のストーリーとはいえ、ストーリーのベースになっているのは、実際の取り組み事例だ。
例えば、米国の大手スーパーマーケット数社が、HoloLensを使ったプラノグラムのPoCを進めている。また、EUのある小売業では、ユーザーと会話できる人事チャットボットを提供して、社員情報の確認などに役立てている。
星野氏は最後に「データを活用して顧客を知り、チャネルに応じてパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供することが重要です。店舗では、デジタルとリアル、バーチャルを組み合わせることで購買ロイヤリティを高めることができます。クラウドサービスなどを活用し、IT投資をおさえながら、スモールスタートで効果を見極めることがベストプラクティスです」とアドバイスした。
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