Windows 10 Mobileはこれから? VAIOが「VAIO Phone Biz」で狙う法人市場

[2017/03/24 08:00]笠原一輝 ブックマーク ブックマーク

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VAIOの「VAIO Phone Biz」が発表されて1年が経過した。OSにWindows 10 Mobileを採用したVAIOオリジナルのビジネスユーザー向けスマートフォンで、エンタープライズやSMBといった市場における採用を狙い、営業活動を強めている。

今回は、VAIO Phone Bizのビジネスを担当するVAIO 執行役員 花里 隆志氏と、同社 法人営業部 VPB事業推進室 兼 事業企画室 兼 法人営業部 ビジネスデベロップメントマネージャー 佐々木 健佑氏の二人に、VAIOのスマートフォンビジネス戦略について話を聞いた。

VAIO 執行役員 花里 隆志氏(左)と、同社 法人営業部 VPB事業推進室 兼 事業企画室 兼 法人営業部 ビジネスデベロップメントマネージャー 佐々木 健佑氏(右)

Windows 10 Mobileを選んだ理由は「セキュリティ」と「Continuum」

VAIOはなぜ、OSにWindows 10 Mobileを選んだのだろうか。

現状のスマートフォンOSは、GoogleのAndroidとAppleのiOSで市場シェアが90%を超えており、AppleのiOSが自社のハードウェアに限られている以上、スマートフォンメーカーはAndroidを採用するのが常道だ。そうした状況で、あえてWindows 10 Mobileを選択した理由について、執行役員の花里氏はこう話す。

「VAIOはこれまでMicrosoftのOSを搭載したPCを製造して、販売してきたPCメーカー。そうしたメーカーがスマートフォンを出す時に、やはりMicrosoftの製品群との親和性は大事だと考えたし、業務システムとしてOffice 365を導入している顧客にとってWindows 10 Mobileを新しい選択肢として提案できると考えた。

現在では働き方改革のような取り組みも広がっており、例えば金融の方や情報システムの方が、高いセキュリティを維持したまま、テレワーク時に使えるスマートフォンとして考えると、Windows 10 Mobileが良いのではないか」(花里氏)

Windows 10 Mobileは、Androidと比較して高いセキュリティ性を備えていることに加え、企業内のWindows PCとデバイス管理やユーザーインタフェースの共通化とが容易といったメリットがある。

「Windowsであることのメリットは、IT部門の人が『既によく知っている』点にあり、導入に結びつきやすい。実はこれまで、企業が従業員に配布する『携帯電話』は総務部門が管理する機器だった。しかし、スマートフォンシフトが鮮明になる中で、総務部門からIT部門に管理者が変わりつつある。この状況を踏まえると、『Windowsであることで管理し易い』というメリットは武器になるはずだ」(花里氏)

管理性の鍵となるのがMDM(Mobile Device Management)。MDMを利用すれば、自社のITシステムに接続できるデバイスを管理できるほか、接続デバイスが盗難に遭った時にはITシステムへの接続をリモートで禁止できる上、端末上に保存されているデータのリモート削除(リモートワイプ)も可能になる。モバイル端末を高度に管理したい企業であれば必須の機能と言える。

例えば、Microsoftが同社のクラウドサービス「Azure」をベースに提供しているIntune(インチューン)は、標準でWindows 10デバイス(Windows 10、Windows 10 Mobile)やそれ以前のWindowsを搭載したPCの管理に対応しており、いずれのデバイスも同列に管理できる。またSMB向けでは「Office 365」自体にIntuneの一部機能が組み込まれており、安価にWindows 10デバイスの管理が可能だ。

MDM製品の拡充も追い風に

また、ビジネスデベロップメントマネージャーの佐々木氏は、MicrosoftのIntune以外にもサードパーティのMDM製品がWindows 10 Mobileへの対応を進めつつあると語る。

「iOS用のデバイスを管理するのに使われているアイキューブドシステムズのCLOMO MDMやVMwareもMDM製品でWindows 10 Mobileへの対応を表明しており、そうしたMDMでの検証が進んでいる。つまり、お客さまが既に利用しているMDM内でWindows 10 Mobileの管理が可能になる環境が整いつつあるといってもいい」(佐々木氏)

では、すでにMDMでマルチOS環境の統合管理を行っている企業がなぜWindows 10 Mobileに関心を示すのだろうか。

「既にMDMを導入されているお客様の中でも、AndroidやiOSを入れていらっしゃるお客様は多い。そうしたお客様にとってはPCと同じようなセキュリティポリシーを導入できるというのが魅力の1つになっている。実は、少なからず『iPadが出てきた当初にiPadを導入した』という企業が多く、当時はタブレットの導入を優先して『電話はフィーチャーフォン』というところが少なくなかった。そうした企業がスマートフォンを導入する時に、タブレットを含めてPCの世界で慣れ親しんでいるMicrosoftに寄せていこうというところが多い」(佐々木氏)

また、Windows 10 Mobileでは、企業向けのPCで採用されているWindows OSと同じWindows Updateの仕組みが用意されており、セキュリティホールが発見されても、Microsoftが配信する月例アップデートがすべてのメーカーのデバイスに配信される。Androidの場合はメーカーごとにカスタマイズが必要となることからこうした対応が難しく、大きなアドバンテージと言えるだろう。

これに加え、「Continuum for Phones」という仕組みが用意されており、対応するワイヤレスアダプターとディスプレイ、キーボード、マウスを用意すれば、デスクトップのWindows OSに近い使用感でスマートフォンをPCライクに使える機能が用意されている。

三井住友銀行で先行採用がスタート

そうした状況下で、実際に具体的な採用例も出始めた。同社の事例としては、三井住友銀行が大きなインパクトを残した。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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