コーナーストーン オンデマンド ジャパンは3月10日、日本でのビジネスを牽引し、戦略的なコンサルテーションを行うことを目的にアドバイザリーボードを設置したと発表した。

メンバーに選任されたのはInterBusiness Coporation 社長 野口芳延氏、元セールスフォース・ドットコム代表取締役社長の宇陀栄次氏、日立製作所 人事勤労部門で人事管理を担当した元日立総合経営研修所 取締役社長の山口岳男氏の3名。発表会には、昨年11月にコーナーストーン オンデマンド ジャパン カントリー・ゼネラルマネージャーおよび日本地域バイスプレジデントに就任した飯島淳一氏が登壇し、3名のメンバーを紹介するとともに、事業戦略について説明した。

標準化から始める「プルの文化」作り

登壇した飯島氏は、「今年がタレントマネジメント元年」だと宣言する。

「今まさに、『人の才能(タレント)を活用して会社を成長させる』というところに経営層が身を乗り出してきています。ビジネスのグローバル化が進む昨今、思っている以上にきちんと人材を育てておく必要があるのです」

では、どうやって人材を育てればよいのか。そこで取り組むべきは、教育だけではない。まず、国を越えて人材を評価するための標準化を始めることが必要だ。「今後、きちんと人材を育成して活用・登用していけば、従業員のモラルが向上し、結果として、企業の一員として自分に何ができるかを一人一人が考えるようになる」(飯島氏)という。

適切な評価を得られる仕組みが目に見えるかたちであれば、従業員が自らポジションを取りに行く「プルの文化」が生まれるというのだ。

コーナーストーン オンデマンド ジャパン カントリー・ゼネラルマネージャー 飯島淳一氏

「従業員に対して何を与えたかで、企業に返ってくるものも変わってきます。これを推進するためにはシステムの力が必要です。その際、『モビリティ』と『エンゲージメント』が最重要項目になります」(飯島氏)

システムを構築して、どこにどのような人材がいるのかを明らかにし、必要に応じて流動的に動かすモビリティを担保する。異動した社員は新しい職位や職務内容にモチベーションを抱いてスキルを磨き、エンゲージメントが上がるという流れだ。氏は、「どんなスキルを持った人材がどこにいるのかが、人事の頭の中だけに入っている時代は終わる」と断言する。

タレントを正確に見極めて教育・登用することが、企業が「リターン」を得るために必要なのだ。