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「AI労働力」時代が到来!? 高度な自動化でビジネスはどう変わるのか

[2017/01/20 10:55]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

人手とシステムの「いいとこ取り」を実現するRPAの魅力

田中氏が語るRPAのメリットは効率化だけではない。もう1つ期待できるのが、人件費の削減である。

1990年代より、業務コスト低減を目的に、ホワイトカラー業務の一部を人件費の安い中国・インドなどの新興国へ発注する企業が急増した。だが、近年は新興国の人件費が高騰したことで、人件費格差を利用したコスト削減が難しくなりつつある。

さらに、新興国の労働者の離職率が高まったことで、十分な品質を確保することも困難になっているのが現状だ。

そこで注目されているのが、品質確保とコスト削減を両立できるRPAというわけである。

RPAと特に親和性の高い業務は、事務処理だ。RPAは反復的かつ予測可能な業務を大量に処理することに長けており、ボリュームの季節変動がある業務に向いている。例えば、経理業務は決算期に忙しくなるが、その時期だけ人を雇うのは難しい。だが、RPAならば融通が効く。

田中氏によると、人件費格差や標準化を基にしたコスト削減は15~30%が限界なのに対し、RPAならば40~75%ものコスト削減が見込めるという。

また、RPAには、これまで人間のみが対応できると考えられていた作業を自動処理し、効率化できる範囲を飛躍的に拡大できる可能性がある。

例えば、業務プロセスにおいて一部の業務はERPなどで自動化できていても、システム化に向いていなかったり、費用対効果が得られなかったりする業務は人間が処理するしかなく、全体としてはさほどの効率化が図れていないケースが多い。

しかし、RPAであればそうした複雑な業務も自動化できるため、業務全体で大幅な効率化が期待できるというわけだ。

RPAの魅力はこれだけではない。「システムを人間と同じように『操作』できる」ことも大きなメリットの1つだ。

通常、システムを自動化するには専用のプログラムを開発しなければならず、コストがかかる上にスタッフにもITスキルが必要となる。逆に人の手で作業する場合、ITやプログラミングの知識こそ不要であるものの、業務マニュアルなどを作成してスタッフをトレーニングするコストが発生する。

事前に記録した操作手順を実行するRPAならば、プログラムの開発が不要なのでコストもかからず、扱うスタッフにも特別なスキルは必要ない。つまり、人手とシステムの「いいとこ取り」ができるのだ。

このRPAには、自動化のレベルに応じ、3つの段階に分けて考えられる。

その第1段階目に当たるのが、情報取得(クローリング)や入力・突合作業、複数システムのログインといった「定型作業の自動化」だ。例外対応などは人間が行わなければならないものの、現在最も実用化が進む領域となっている。

第2段階目が「非定型作業の自動化」である。ディープラーニングや自然言語処理を用いて、非構造化データの読み取りや蓄積情報からのルール作成などを行うというものだ。主な製品としては「IBM Watson」や「Google TensorFlow」などが存在するが、いずれも導入のために学習させる費用が億単位になるため、ROIを満たすことが難しいという課題が現時点では存在する。

そして最終段階となるのが「高度な自律化」だ。この段階では、作業のみならず、プロセスの分析や改善、意思決定に至るまでが自動化されるという。

「第3段階目には現在、該当する製品自体がまだ存在していませんが、ポテンシャルを感じるものは出てきています」(田中氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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