予算編成前に覚えておきたい、IT投資計画の立案方法 - ガートナー片山氏

[2016/12/26 08:00]廣瀬治郎 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

近代のビジネスにおいてITは欠かせない存在である。しかしながら多くの経営者にとって、限りある資金・リソースの中から最適化されたIT投資を行うことは至難の業だ。

結果として、不要にコストが肥大化したり、十分な予算を確保できなかったり、といったことが起こりがち。それが原因でIT部門がただのコストセンターと見なされてしまうこともある。

ガートナー ジャパン リサーチ部門 ソーシング&ITマネジメント リサーチ ディレクター 片山 博之氏

そうした事態を防ぐためには、計画的な投資が必要なのは言うまでもない。しかし、いざ計画を立てるとなると、どのように進めるべきかわからないというのが実情ではないだろうか。

多くの企業で来年度の予算策定が始まるこの時期に参考情報を提示するべく、本誌は、IT投資計画の立案方法について、ガートナー ジャパン リサーチ部門 ソーシング&ITマネジメント リサーチ ディレクターの片山 博之氏に話を聞いたので、その模様をお伝えしよう。

3つの段階を意識する

IT投資計画にもさまざまなレベルのものがあるが、特に重要なのがIT中期計画策定時のIT投資計画だ。

立案の際には、中期経営計画を参考にしたうえで、案件の見直し、考えうる効果とコストを見比べる事前評価、導入後の事後評価、維持すべきか更改すべきかといった資産評価を経て、次期の計画・見直しへとサイクルを回していくことが望ましい。

片山氏によれば、こうした計画や施策を検討する際には、投資ポートフォリオを特性に応じて3つに分類することが望ましいとする。

投資ポートフォリオ、3つの段階(出典:ガートナー)

1つは、既存のビジネスを止めないための「運営(Run)」。売上に直接貢献するわけではないが、ビジネスを維持するための”税金”として捉え、効率化を目指したい分野だ。ソリューションの例としては、電子メール、セキュリティ、BCP、老朽化対応、法改正対応、会計・受発注管理といったものがあげられる。

2つ目は「成長(Grow)」。既存業務を強化・改良し、収益を増大するための施策である。コスト、効果、リスクがある程度予測できるため、ROI(投資収益率)を測定し、最大の効果を得られる拡張を目指したい。この分野のソリューションとしては、CRMやSFA、サプライチェーン最適化、ニーズ予測分析などが分類される。

3つ目は「変革(Transform)」。まったく新しい市場やビジネスモデルを創造するための投資で、価値が明確になるまで”実験”をくり返す必要もあり、経営者の賭け的な判断が必要な分野である。IoTやAIなどの注目度の高いIT技術のほか、運輸システムの燃費効率向上や建設機械の遠隔操作、あるいは未開拓市場への参入も含まれる。

「こうした投資は、時間の経過に伴って変化していくものです。例えば、今では運営に位置する基幹システムも、最初の構築時は成長や変革のために導入するものでした。リスクのハイ/ローのみで検討するのも大雑把ですし、初めから細かく分類してしまうと融通が効かなくなってしまうため、この3分類からポートフォリオの検討を始めることをオススメします」(片山氏)

以下、上記3分類を意識しながら、検討すべき内容を見ていこう。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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