ITRは10月12日、年次カンファレンス「IT Trend 2016」を東京都内にて開催した。「ビジネスとテクノロジの未来デザイン」をテーマに掲げた今回は、ITRのアナリストやIT業界のキーパーソンらにより、最新のIT技術動向と企業が目指すべき方向性がさまざまな切り口で語られた。ここでは、「『ワークスタイル変革』実践論 ~テレワークで実現した未来の働き方~」と題して語られた、ITR シニア・アナリスト 舘野 真人氏による講演の模様をダイジェストでお届けする。

有識者らが語るワークスタイル変革の在り方

ITR シニア・アナリスト 舘野 真人氏

佐賀県 総務部 人事課 給与担当 係長 陣内清氏

「ワークスタイル変革は、企業にとってもはや努力目標ではなく、ビジネスを継続していく上でなくてはならない取り組みです」――講演冒頭、登壇した舘野氏はそう提言した。労働人口が減少の一途をたどる今の日本において、企業の生産性を維持・向上するには、一人一人の働き方を変えることで根本的な効率化を図る必要があるというわけだ。

ただし、その実践においてはさまざまな困難・障壁があることは否めない。これを乗り越え、いち早く「未来的」な働き方を実践している組織の一つが佐賀県庁である。積極的なIT活用が進む佐賀県庁では、2014年10月以降、テレワークを全面的に導入し、業務の効率化を実現したという。テレワークとは、ITを活用して実現する、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことだ。

同庁では、どのようにして「壁」を乗り越え、職員が働きやすい環境を整えたのか。また、その中でIT部門が果たした役割とは何か。壇上には佐賀県 総務部 人事課 給与担当 係長の陣内清氏が招き入れられ、両氏によるトークセッションが繰り広げられた。

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