「ドローンにより、空の産業革命時代が間もなく到来します。千葉市の国家戦略特区では、米国でも未実施の目視外飛行によるドローン宅配を開始することが決まっています」

千葉大学 特別教授、自律制御システム研究所 代表取締役 CEO、一般社団法人ミニサーベイヤーコンソーシアム会長の野波 健蔵 氏

ドローン開発の第一人者として知られる千葉大学 特別教授 野波 健蔵 氏は、6月29日のセミナー『ドローンは社会をどう変えるのか? ~今そして未来展望~』の中で、物流業界における取り組みの例として千葉市の施策を紹介した。

話題に事欠かないドローンだが、実のところ、開発先進国の米国においても、目視飛行(目視での監視が可能な範囲での飛行)などの法規制により、物流業界での実用化はまだ先の話になる。

そうした中、千葉市では、野波氏らと共同でドローン宅配の実用化を進めることを発表。戦略特区においては目視外飛行も認可されており、世界に先駆けて日本で最初に試すことになるという。

セミナーでは、そのプロジェクトを牽引する野波氏が、ドローンの活用例や今後の展望などを紹介。自律制御システム研究所 代表取締役 CEOとして産業用ドローンの開発も進める同氏ならではの技術解説も行われた。

「ドローンは、ハードウェアとソフトウェアの両面で最新技術の粋を集めた機器。オートパイロットはもちろん、強風下の制御や、非GPS環境化での飛行なども可能なほか、プロペラが一つ止まっても問題なく飛べるような制御も行われています。最近では、オスプレイのように垂直離着陸可能なVTOL(Vertical Take-Off and Landing)機の開発も進み、時速150km、1.5時間の高速長距離飛行も実現しています。昆虫や鳥を参考に静音ドローンの研究も活発です」

建築・土木では100倍効率化事例も

野波氏は、物流業界だけでなく、建築・土木や農業、警備などの活用例も紹介した。

建築・土木では検査や測量、農業では農薬散布、警備では侵入者の追跡・撮影などで活用されている。特に大きな効果を発揮しているのが建築・土木だ。

「2人で1週間の仕事が、1人で1時間の作業になった事例もあります。また国土交通省では、i-Constructionという政策を推進中です。ドローンで3次元測量を行い、そのデータを元に設計・施工計画を立て、IoT搭載の建設機械により自動制御で施工を進め、さらにドローンで検査するというフローが実現される予定です」

セミナーでは、こうした施策や事例を大量の動画も交えて解説。ドローンによって変わる社会の姿を目に見えるかたちで紹介した。

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本稿では、同セミナーの講演スライドを無償で提供します。興味のある方は、以下の資料紹介内のリンク、あるいは記事末の「今すぐ資料をダウンロード」ボタン、「ダウンロードBOXに入れる」ボタンからダウンロードしてください。

また、講演レポートも後日改めて公開する予定なので、そちらもぜひご覧ください。

講演資料の内容


講演資料は全61ページ。最新の産業用ドローンの特徴や、活用分野について、市場の動向も踏まえながら具体的に解説しています。

後半では、ドローン技術の現状と2020年に想定される技術レベルなども紹介。YouTube動画へのリンクもあり、日本の社会の近未来像が実感できる内容になっています。

<PDF内容>

  • 国内市場の動向
  • 世界市場の動向
  • ドローンベンチャー企業への投資額と投資件数
  • ドローンベンチャー企業資金獲得トップ10
  • ドローンが創りだす付加価値とは
  • 「荒廃するアメリカ」は日本にも起こる?
  • 我が国のインフラストック
  • なぜドローンによる配送が画期的なのか
  • ミニサーベイヤーの際立った特色および強み
  • ドローンの共通基盤コア技術
  • 自律制御技術の実装課題(マイルストーン)
    ……など

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