人材採用だけじゃない! Microsoftが買収したLinkedInの主な機能 - ヒューマンキャピタル 2016
経歴・求人・スキルが1つに! 他人のキャリアパスから自分の将来を描く
LinkedInで扱われている情報は大きく、登録者のプロフィール情報、会社ページの登録情報、大学ページの登録情報がある。
登録者のプロフィール情報は、職歴、学歴、スキルなど、仕事に関する情報のみが記載されている。会社ページは現在800万社が運用しており、社員情報、求人情報、企業の最新情報など提供する。大学ページは約5万校に利用され、日本でも、主要な国公立、私立大学が採用している。
「世界に30億人いると言われる社会人の情報や求人情報、スキル情報などを一つのプラットフォームに乗せることができるようになりました。それら情報をテクノロジーによって自動的に結び付けられるようになったわけです。こうした情報をどう活用していくか。LinkedInではEconomic Graphという考え方の下、さまざまな取り組みを進めています」(杉本氏)
例えば、膨大なスキルやキャリアを分析することで、自分に似たバックグラウンドを持った経歴の人がどんなキャリアパスを描いていたかを探すことができる。逆に、その人のスキルや経験から、その人に向いた次のキャリアパスを企業がレコメンドすることもできる。それをソリューションとして提供していくという。
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会社ページの登録情報 |
人材管理に起きる革命
杉本氏は、ビジネスに関する膨大なデータが公開されていくことで、人事や総務といった人材管理(HR)のあり方は大きく変わってくると指摘する。
「企業情報や従業員情報の透明性は増しています。実際、企業と個人、個人と個人が自由に企業や仕事に関する情報を交換しています。HR領域でも、社内外のデータを活用した取り組みが重要になってきています」(杉本氏)
LinkedInを利用することで、企業はどんな取り組みができるようになるのか。講演の中で杉本氏は、「採用」「教育・学習」「キャリア」という3つの観点からLinkedInのサービスを紹介していった。
ブランディング、採用活動、データ分析 - 採用機能3要素
採用については、まず企業のブランディングに活用できるという。
ブランディングというと、これまでは求人情報や企業活動、企業文化の紹介が中心だった。対してLinkedInではここにどんな社員が働いているかを公開し、実際に働く会社としての興味の醸成を図る。LinkedInの個人プロフィールがそのまま社員紹介になるイメージだ。
次に、人材へのアプローチに活用できる。まず、タレントマッピングと呼ばれる機能を使って、会員に対するさまざまな検索が可能だ。自社の社員に似たスキルやバックグラウンドを持った人材がどのくらいの規模で存在するかなどを確認できる。そのうえで、ダイレクトアプローチと呼ばれる候補者に対する個別の採用アプローチが可能だ。
採用活動に関する豊富なデータ分析機能も備える。LinkedIn会員層が自社とどんな関係にあるか、競合他社の組織や人材はどんな構成になっているかなどをグラフィカルに把握できる。例えば、競合他社がどの企業からどんなスキルを持った人材をどのくらい採用しているかなどを一覧することができる。競合他社への「引き抜かれ具合」も、競合他社からの「引き抜き可能性」も予測できてしまうのだ。
「外部のサービス提供者に頼りがちだった採用活動が自前でできる意味は大きいです。社員をどうリテンションしていくかなどに活用できます」(杉本氏)
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引き抜かれ状況や、引き抜かれる可能性も分析できる |
オンライン学習サービスを買収、福利厚生に活かす
2つ目の教育・学習については、買収したオンライン学習サービス「Lynda.com」のサービスを使ったキャリア教育の例を挙げた。
LinkedInでキャリア形成を考えているときに、自分のスキルやキャリアが不足していると感じるユーザーは少なくない。そこで、自分が必要と考えるタイミングでLinkedInからLynda.comのコースを受講できるようにした。
「ミレニアル世代と呼ばれる10~20代に対して『魅力的な福利厚生は何か』を聞いた調査があります。22%と最も多かった回答が『トレーニングと開発』でした。Lynda.comのサービスは社員の福利厚生のシステムとして、多数の企業で採用されています」(杉本氏)
個人経歴の集合が組織のプロフィールに
3つ目のキャリアについては、大学ページからのロールモデルを見つけたり、キャリアパスの参考にしたりするといった活用方法を紹介した。
大学ページに掲載された会員のプロフィールはすべて実在のロールモデルだ。大学の同窓や先輩、後輩がどんなキャリアをたどっているかは、個人のキャリア形成の大きな参考になる。
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ロールモデルを探してキャリアパスの参考にできる |
杉本氏は、さまざまな情報が公開されるようになったことで、企業の人事部門は「見られている」ことを前提に取り組んでいかなければならなくなったと指摘する。
そのうえで、「人事部門に求められる対応は、新しいサービスにアンテナをはること、積極的な情報収集と発信を心がけること、社内外の人材情報を収集・分析すること、オープンなデータを活用したプロセス構築と意思決定を行っていくことです」とアドバイスした。
※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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