今度は自分が背中を見せる番! 次の世代へつながる"絆"- セキュリティ・ミニキャンプ in 四国

今度は自分が背中を見せる番! 次の世代へつながる"絆"- セキュリティ・ミニキャンプ in 四国

[2018/03/23 08:00]高橋睦美 ブックマーク ブックマーク

キャンプの「縁」から生まれたさまざまな活動

「僕らは全国大会に参加して、講師やチューターの方々の背中を見せてもらった。次は僕たちが背中を見せる番」――午前中の講義で講師を務めた浅野氏は、2011年のセキュリティ・キャンプ全国大会に中学生で参加し、今は群馬大学理工学部でコンピュータサイエンスを専攻している。

また、浅野氏をチューターとしてサポートした米内貴志氏も、同じく中学生のときに2012年の全国大会を修了し、東京大学に進学した。ミニキャンプの参加者らは、自分とほとんど変わらない年齢の彼らが講師を務めていることに驚いたようだった。

チューターの米内氏、参加者、チューターの前田章吾氏、参加者と並んでいるが、まるで一緒にプログラミングコンテストやCTF(Capture The Flag)をやっているかのようだ

浅野氏は過去のミニキャンプで何度かチューターを務めており、その活動のなかで講師の話が浮上した。何度か実施協議会と話をし、「失敗してもいいから、チャレンジしてみよう」と薦められ、講師として参加する決意をした。

「参加者の皆が、あまりコマンドを叩かなくてもわかるような講義にしよう」と、Graylogを用いたログ解析をテーマに選定。2017年の12月から準備を進めてきたという。借り物のRaspberry PiにWordPressを搭載したWebサーバや、ログ解析用環境は自前のサーバを用いて3日で構築。その後、壊しては組み直し、細かなアップデートを繰り返して講義に臨んだ。

浅野氏が構築した講義用環境。3日間かけて1度組み上げ、その後もあれこれ作り直してきたという

そうした流れのなかで、浅野氏がチューターを依頼したのが米内氏だ。浅野氏と米内氏は、セキュリティ・キャンプに参加する前から、オンラインで互いの存在を認識していたそうだ。

「当時、僕らと同じ中学生くらいで、こうした分野に興味を持つ人はそんなにおらず、自然と知り合いになっていました」(浅野氏)

初めてチューターを務めた米内氏は、講義室をあちこち飛び回り、身振り手振りを交えながら受講者をサポートしていた

そしてキャンプをきっかけに、Skypeで直接連絡を取り合うようになり、以来数年に渡って付き合いが続いてきた。

「米内くんは、やはりキャンプの修了生であるれっくすさん(前田氏の愛称)らがやっている『SECCON Beginners』の講師をしています。話を聞くとキャンプに通ずるものがあり、講義を進める上で遅れがちな人とそうでない人のギャップを埋めるのに、彼なら任せられると思ってお願いしました」(浅野氏)

そもそも両氏が連絡を取っているSkypeグループは米内氏が同年代で趣味を同じくする数人と作ったもの。そこに、やはり2009年のセキュリティ&プログラミングキャンプ修了生で、「セキュリティ・ミニキャンプinやまなし 2017」で講師を務めた美濃圭祐氏も加わったものだ。

キャンプを通じて生まれたタテのつながり、ヨコのつながりが生き始めており「美濃さんには進学に関わる相談もしたりしています」と浅野氏は言う。ほかにも、進学してみたら同じ学部の卒業生にキャンプ修了生がいたり、なぜかバイト先が一緒だったり、ひょんなところで「仲間」に出会うこともあるそうで、「縁って不思議だなって思います」と米内氏は笑う。

米内氏にとってチューターは初めての経験だったが、「SECCON Beginnersでやっている60分の講義でできることと、150分の講義でできることってやはり違うなという驚きがあり、いろいろ試してみようと、いい気付きがもらえました。逆に浅野くんには、ぜひSECCON for Beginnersにも参加してほしいなって話をしています」と刺激を得たようだ。

後半の仲山氏の講義では、自然とチューターを務め受講者をサポートした浅野氏

当時「中学生がセキュリティ・キャンプに!」と驚きを持って受け止められた2人の参加だったが、修了後の高校生活はむしろ普通で、積極的にITやセキュリティ関連の活動はしていなかったそうだ。

だが、「キャンプに参加したことが、今の自分に大きく影響を与えたことは間違いありません。むしろセキュリティを深く追求したいからこそ、体系的にコンピュータサイエンスを学びたいと思って今の進路を選んでいます」と語る浅野氏は、自宅には1Uラックを置き、光回線を引き込んで24ポートスイッチも稼動する”普通”の大学生活を送っているという。

高校時代は数学に注力し、部活ではハンドボールに打ち込んだという米内氏も「セキュリティを軸足に置きながらほかの何かにプラスする、そういう視点ってすごくいいなって思っています」と話す。

そう、キャンプは彼らの「始まり」であり「通過点」だった。経験を次のチャンスにつなげながら活動の幅を広げる両氏。ミニキャンプやこれからのキャンプの参加者にも、そこがゴールではなく、「始まり」だととらえ、セキュリティに限らずさまざまな領域で活躍してほしいという。次の世代へとつながる”絆”からどんな可能性が芽吹くのか、今後が楽しみだ。

ミニキャンプの参加者と講師、チューターたち。つながりから生まれる新しい可能性に期待したい

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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