社会問題の解決に向け「エルテスセキュリティインテリジェンス」を設立

企業のデジタルリスクを予兆・検知・解決するソリューションを手がけるエルテスは8月22日、子会社「エルテスセキュリティインテリジェンス」を設立し、9月1日より業務を開始した。

8月22日に行われた新会社設立説明会では、エルテスの代表取締役である菅原貴弘氏が会社設立の背景、成長戦略について説明。「これまでエルテスでは、インターネットでの炎上対策や風評ダメージ、情報漏洩対策などを行ってきました。今回新たに取り組む分野は、犯罪のデジタル化や世界的なテロの増加に伴う社会問題の解決です」と話し、各種イベントでの安全対策、金融犯罪対策、海外テロ情報の分析といった分野について取り組んでいくことを明らかにした。

左:エルテスセキュリティインテリジェンス 代表取締役社長 金重凱之氏、右:エルテス 代表取締役 菅原貴弘氏

元警察庁警備局長などを歴任した金重氏を社長に

新たに設立したエルテスセキュリティインテリジェンスの代表取締役社長には、警察庁警備局長、防衛庁(現防衛省)防衛局調査第一課長などを歴任し、サミット(主要国首脳会議)などでの豊富な警備経験を持つ金重凱之氏を招聘。エルテスの新取締役には元防衛省防衛審議官である三村亨氏を迎え、インテリジェンス分野について一層の強化を行うとした。

エルテスセキュリティインテリジェンス 代表取締役社長 金重凱之氏

金重氏は「三十数年に渡り、安全保障上や軍事上の危機管理に関わる課題に携わってきました。ただし、これはフィジカルな面の危機管理ということになります」と挨拶し、エルテスというデジタル面でのフロントランナーとの融合により新しいセキュリティ・インテリジェンス領域への進出を目指すと意気込んだ。

過去、犯人が犯行前後にLINEやTwitterに書き込みをした事件や、掲示板への書き込みを1000回以上行ったのに、殺傷事件を起こした事例もある。さらに公共施設の爆破テロ予告やアイドルグループのイベントでの発煙筒事件など、このような痛ましい事件、不法行為は後を絶たない。「こうしたリスクがある以上、我々が守るべき観客、施設、プレイヤーは日本に多数存在し、安全対策を強化していく必要がある。最悪の事態を想定して最善の措置を取るのが危機管理の基本であり、デジタルの時代にフィジカルだけでは不十分」と金重氏は語る。

詐欺、プライバシー侵害、名誉・信用棄損、横領、背任、薬物売買、殺人仲介などの今までフィジカルの世界でしか起きていなかったことがデジタルの世界で同じように起き始めている。こうした現状を踏まえ、これからの対策・警備にはデジタルとフィジカルの融合は必要不可欠と言えるだろう。