【インタビュー】未知の世界に突入する、デジタルビジネス時代のセキュリティ対策 - ガートナー礒田氏

[2015/12/25 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

求められる、「モード2」のセキュリティ人材

礒田氏は、もう1つの重要課題であるセキュリティ人材の育成について、「バイモーダル(2つの流儀)」を理解することの必要性を強調する。バイモーダルとは、従来的であり、拡張性や効率性、安全性、正確性を重視する「モード1」と、不連続的であり、俊敏性とスピードを重視する「モード2」という2つの流儀のことで、デジタルビジネス時代に押さえておくべき視点として、ガートナーがグローバルで提唱している概念だ(【レポート】デジタルビジネス時代の製品/サービス選びのポイントとは? 参照)。

同氏は言う。「モード1に該当する従来ながらのプロフェッショナルな人材は、もちろんこの先もずっと必要ですし、セキュリティの基本になります。しかし、これからはモード2を担うファシリテーター的なセキュリティ人材も求められることになるのです」

モード1のセキュリティ人材とは、日々粛々とオペレーションを遂行し、出来る限り問題が生じないようにシステムの安全を支える存在である。だが、現在のセキュリティ事情は、冒頭で触れたようにクラウドやモバイル、ソーシャルにビッグデータ、さらに今後のIoT普及などに大きく影響されるようになってきている。

「デジタルビジネス時代において、セキュリティはビジネスを守るだけでなく、命までをも守るという新しいフェーズに入っていきます。これまでのように、単に情報資産を守るだけでなく、ビジネスや命を守るとなれば、セキュリティの再定義が必要なのは言うまでもありません。人材という切り口で見れば、今まで主流だった”常識レベル”の人材だけではなく、想像を超えた新しいリスクに対応できる人材も欠かせない存在となっていくのです」と礒田氏は強調する。

例えば5年後の自社の”天守閣”のプランを立てるにしても、城全体の構造が把握できていなければ、武者走りをどういうルートで作るべきかといった個々の判断は難しい。そして、城の構造には、軍事面のみならず、執務や行事、制度、生活などといったさまざまな要件が反映されている。デジタルビジネス時代のセキュリティについても同様に、自社のビジネスや従業員/顧客の物理的な安全を踏まえた判断が求められるようになっているのである。

礒田氏は最後、次のように力説した。「従来型のセキュリティ人材では、デジタル時代における自社のビジネスの可能性と、それがどういった文脈で業務やインフラ上のリスクに繋がるのかまでを広範に理解し、組織をリードしていくのは難しいでしょう。しかも、網羅的な内部への理解を踏まえ、ベンダーと意見交換したり、その内容をわかりやすい言葉に”翻訳”したうえで経営者に伝えたりすることも求められます。こうした役割を担うのが、モード2のセキュリティ人材なのです。今後のサイバー・セキュリティ対策においては、このバイモーダルを意識した人材育成が大きな”鍵”となります」

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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