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中国発の「WeChat」から読み解くソーシャルメディアのビジネス活用

[2018/03/07 08:00]冨永裕子 ブックマーク ブックマーク

銀行のWeChat活用例、そしてWeChatへの「よくある誤解」とは?

銀行がマーケティングと顧客サービスでWeChatを利用している例は以下の図のようになる。

銀行がWeChatを活用している例/出典:ガートナー(2018年2月)

3つのスクリーンショットのうち、左画面のトップにあるバナーが重要なニュースだ。そして、一番下にはメニューバーがあり(赤枠部分)、メニューバーのドロップダウンリストからサービスを選ぶ仕組みとなっている。右画面の「モバイルバンキングにログインして口座情報を確認」の左側にあるリンク(青字部分)は、銀行が用意したサービスのページに誘導するためのもの。顧客がWeChatを使いたがるので、企業はWeChatの公式アカウントでもサービスを提供しているものの、WeChatには全てのコントロールを渡したくない。そこで、顧客をWebサイトのような直接チャネルに誘導するようにしているのだとシェン氏は解説した。

WeChatに対する「よくある誤解」

シェン氏はWeChatに関しては誤解されていることも多いと話し、その典型的な例を5つ挙げた。

第1に、「(WeChatは)マーケティング部門や顧客サービス部門だけのもの」と思われていることだ。企業はAPIでバックエンドのアプリケーションと連携させることができるので、ITガバナンスで混乱が発生しやすいのだという。ITや人事、法務の関与も必要であり、営業部など、使いたい部門が組織横断的に連携できる導入プロジェクトを立ち上げ、進めるべきなのだとシェン氏は説く。

第2は、「公式アカウントを取得さえすれば、顧客から自然に接触する」という理解だ。これは明らかに間違っているとシェン氏は言う。リアルの店舗と同じで、認知度は向上しても、新商品の提供、キャンペーン展開、ファンコミュニティの運営など、顧客視点で価値を提案し、訴求する継続的な活動が必須になる。どんな価値を訴求するかという価値設計が欠かせないとシェン氏は訴えた。

第3は、「WeChatがモバイルアプリの代用になる」というものだ。WeChatのセキュリティの評判は高いが、100%安全ではない。対策できることはあまりない。先の図「銀行がWeChatを活用している例」で示したように、操作が簡単でデータの機密性が低いものはWeChat、そうでないものはモバイルアプリやWebにと”ハイブリッドモード”を使うことが現実的だというのがシェン氏の見解だ。

第4に、「WeChatは顧客エンゲージメントのためのもの」という理解だ。これは正しいが、リーダー企業はWeChatイノベーションの触媒として活用しているのだという。5日間が5分になったシェン氏自身の体験からわかるように、複雑なプロセスを簡素化する革新は、CXの質の向上に貢献できるのだ。

第5が、「WeChatは消費者向けのサービスだけを提供している」という誤解だ。先の図「WeChatが提供する機能」で示したように、大企業でも使える生産性向上のためのサービスとしては、WeChat Enterpriseがある。シェン氏によれば、現在150万社が使っている従業員向けのサービスでは、ファイル共有、スケジューリング、電話会議やワークフローの承認などができるのだという。

ここまでで紹介した使い方は、WeChatだけに限定されるものではない。WeChatでできることは他のソーシャルメディアにもできるはずだ。また、日本企業にとって、これらの活用方法は示唆に富んだものと言えるだろう。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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