営業収益ダントツの浦和レッズが大事にする3つの「どうせん」

[2018/02/21 07:30]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

マーケティング

レッズが重視するのは「コンテンツ」「アート」「サイエンス」

レッズでのマーケティングで重視しているポイントは「コンテンツ」「アート」「サイエンス」の3つだ。

コンテンツとは商品やサービスのこと、アートは気持ちの部分、サイエンスは知識やノウハウだ。これら3つを掛け合わせることが重要であり、デジタルマーケティングだからといって、数字を使ったデータ分析だけに頼らないよう気をつけているという。

では具体的にどのような施策を行っているのか。

星野氏はまず、サッカーに対する関心度の調査を挙げながら、認知度の高さと観戦との間に大きなギャップがあることを指摘した。

Jリーグが調査したところ「浦和レッズを知っているかどうか」という質問に対しては、82.2%が「知っている」と答えた。しかし、「実際にJリーグの試合を観にスタジアムに行ったり、テレビ観戦したりするか」という質問に対しては22.8%しか「はい」と回答していない。会場での観戦に限ると、わずか4.4%だった。

「知ってはいるが行ったことはない人がたくさんいるということです。よく人が新しい情報をもらったときに3つのフォルダにわけるという話があります。

買うかもしれない、すぐ買う、買わないの3つですが、いちど分けられると別のフォルダになかなか移動しないとされます。最初にどういう印象を与えるかがとても重要で、スタジアム観戦についてもそこに課題があると考えています」(星野氏)

気軽に足を運んでもらうために

浦和レッズのスタジアムの雰囲気は独特だ。

最初に訪れた人がどんな印象を抱くかについて、星野氏は「怖いという方もいる」と話す。レッズは、マスコットキャラクターがピッチに上がることを禁じているクラブだ。

「チケットを切った先は闘う場所であり、スタジアムの中と外をきちんと分けるという考え方をしています。ACLのコレオグラフィーのように全員が一体となった緊張感のある素晴らしい応援ができる一方、その雰囲気に圧倒されてしまう人もいます」(星野氏)

では、スタジアムにもっとたくさんの人に来てもらうにはどうすればいいか。

「緊張感を高めるか、やわらかい雰囲気を作るかではないと思っています。大切なのは、『緊張感のあるコンテンツの楽しみ方として、もっと気軽に来る方法がある』と知らせること。あるいは、今まで知ってはいたけど自分事化していなかった人に対して『浦和レッズにはこういう楽しみ方があるんだ』と知らせることです」(星野氏)

そんななか昨年ACL決勝を前に取り組んだ企画の1つが、友人や恋人を誘って気軽にスタジアムに応援に行けることを訴えるビデオコンテンツだ。

友人編では「音楽フェスに来ているような一体感」「観戦前に腹ごしらえできる絶品グルメ」「世界レベルのエンターテインメント」などをアピール。恋人編では「カップルで着たいユニフォーム」「お揃いコーデ」「ひと味違ったデート」といった視点を取り入れた親近感のある内容にしたという。

星野氏は最後に、浦和レッズのデジタルマーテケィングはデジタルを使ったマーケティングではないと言い、次のように講演を締めくくった。

「日本コカコーラの担当者の方が言っていた言葉に『マーケティング in デジタルワールド』があります。マーケティングをデジタル世界でやっているだけという意味です。この言葉を聞いたとき膝を打つ思いでした。

浦和レッズではこれを拝借して『アナログマーケティング in デジタルワールド』という意識で取り組んでいます。デジタルツールを活用しながら、われわれができることをアナログに地道にやっていこうと思います」(星野氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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