マイナビニュースマイナビ

中国越境ECの「今」 - 市場開拓で成功するために注力すべきは何か?

[2017/06/01 07:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

中国市場に進出する「覚悟」はあるか?

アリババが2013年に開設した中国最大の越境ECサイト「天猫国際(Tmall global)」に出店する場合、天猫国際との契約が必要になるのだが、この手続きを代行業者に依頼するケースが多い。香山氏は、「この代行業者を、目的に応じて正しく選定できるかどうかが成功のポイント」だと説明する。

代行業者のタイプは大きく2つに分けられる。1つは買取型の代行業者であり、こちらは単純に商品の販売額を増やしたい場合には手軽に依頼できるパートナーとなる。もう1つが運営代行型の代行業者で、店舗ページの運用やCS(顧客満足度)に関する施策、販売後のフルフィルメント(商品受注から顧客の下への製品到着までの業務)を出店者に代わって実施する。

香山氏は「とりあえず、今ある商品の販売規模をすぐに拡大したいのであれば買取型の代行業者に依頼するのが良いかもしれません。運営代行型に依頼する場合には、メーカーがコントロールする覚悟が必要となってくるからです。しかし、中国を重要な市場と見なして、自社製品のブランド確立と、顧客資産の蓄積を中長期的に目指す場合には、運営代行型が適しています」と両タイプの利点を説明した。

中国市場に腰を据える覚悟ができたときに真価を発揮するのが、アリババが有する約8億人のネットユーザーのデータである。まずここでターゲットを抽出でき、さらに抽出したターゲットに対するアプローチ施策の立案もデータの活用によって可能となるからだ。加えて、「データを匿名化した上で、ターゲティングされた1つ1つのコンテンツに誰がどう反応し、実際に購入に至ったかどうかまでがわかる仕組みを提供するための準備を今、進めているところ」だと香山氏は語る。

一方、日本の消費財メーカーからは「天猫国際で獲得した顧客データを自由に使うことができず、適切なマーケティングが実施できない」といった相談が多いという。この点について香山氏は、「それは運営代行業者との契約を適切に行わなかった結果だと言えます。本当に中国市場でビジネスを伸ばし続けていきたいのであれば、代行業者との適切な契約についても考えなければいけません。アリババグループのプラットフォームを『踏み込んだマーケティング』に生かすためには、そこがポイントになってきます」と説明する。

香山氏は、アリババのプラットフォーム上で「欧州に興味があり、しかも購入力のある顧客」に訴求した結果、わずか33秒で350台の車を完売したイタリアの自動車メーカーの事例を紹介した後、次のように会場に訴えかけて講演の幕を閉じた。

「アリババグループが有するデータは、皆さんのマーケティングの大きなツールとなり得るものです。大きく市場を開拓したいと考えているのならば、データの活用を見据えた代行業者の選定と、デジタルマーケティング分野への投資に注力すれば、きっと大きな成功が見込めるでしょう」(香山氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

もっと知りたい!こちらもオススメ

病院・医師のニーズを把握せよ! 地域医療マーケに「効く」ビッグデータ活用とは?

病院・医師のニーズを把握せよ! 地域医療マーケに「効く」ビッグデータ活用とは?

4月19日~21日、東京・ビッグサイトにて開催された「ヘルスケアIT 2017」において、「ビッグデータを活用した製薬企業等のエリアマーケティングの活動事例」と題して行われた講演では、リーズンホワイ 代表取締役社長 CEO 塩飽哲生氏が登壇。製薬企業のMRがどのようにビッグデータを活用し、病院やクリニック向けのマーケティングを展開していくかについて事例を基に…

関連リンク

この記事に興味を持ったら"いいね!"を Click
Facebook で TECH+ の人気記事をお届けします
注目の特集/連載
[解説動画] Googleアナリティクス分析&活用講座 - Webサイト改善の正しい考え方
Google Workspaceをビジネスで活用する
ニューノーマル時代のオウンドメディア戦略
ミッションステートメント
教えてカナコさん! これならわかるAI入門
AWSではじめる機械学習 ~サービスを知り、実装を学ぶ~
Kubernetes入門
SAFeでつくる「DXに強い組織」~企業の課題を解決する13のアプローチ~
AWSで作るマイクロサービス
マイナビニュース スペシャルセミナー 講演レポート/当日講演資料 まとめ
セキュリティアワード特設ページ

一覧はこちら

今注目のIT用語の意味を事典でチェック!

一覧はこちら

会員登録(無料)

ページの先頭に戻る