Facebookの国内ユーザーは月間2700万人(DAU)、同社のプロダクトであるInstagramも1600万人いる。また、ほかのモバイルアプリなどに対して、Facebookの属性を用いたターゲティングが実現できる「オーディエンスネットワーク」も2100万リーチあり、ボリュームはかなり魅力的なものになる。

マルチデバイス時代にCookieは活かせない

とはいえ、Facebook広告で顧客にリーチする最大のメリットは、きめ細やかなターゲティングだろう。

「2018年には1人あたり3つのデバイスを利用すると言われるこの時代に、Cookieは使えない。まだまだメインストリームだと思うが、デバイスごとに保存される以上、デバイスを跨げば別の人格としてカウントされるため、UUが1.58倍の過大評価になってしまうという調査もある。また、Cookieでは趣味嗜好などから年齢や性別を推定するが、正確な判別が難しい。その点、リアルの情報をベースにするFacebookデータであれば、ターゲットリーチがより正確なものとなる」(Facebook Japan Client Partner Manager 川野佑樹氏)

もちろん、Facebookもなりすましや嘘のデータを入力して利用している人物が存在しないわけではないものの、基本的にはリアルの人間関係を反映したプラットフォームであるため、その他Webサービスよりもはるかに精緻化された属性データを抱えている。

Facebookとしてもこの強みを活かし、例えばテレビのマスマーケティングとFacebookを組み合わせる広告手法を提案する。テレビは出稿量と視聴率をかけ合わせたGRPという指標があるが、これでリーチできる視聴者は定常的にテレビ視聴を行っている「ヘビー層」「ミドル層」は6割程度にとどまっており、昨今の「スマホシフト」によるテレビ離れした「ライト層」「非視聴層」へのアプローチが難しい。

そこで、GRPの在庫配分を調整し、テレビ視聴者層のカバーできていない年令や性別を細かく区切った上で、FacebookやInstagramに広告予算を投下することで、効率的なアプローチを実現するというものだ。これは、インテージやニールセンがクロスデバイス、クロスメディア計測のパネルを提供して効果測定を実現しており、Facebookに頼り切ることなく、その成果を判断することが可能になる。

モバイルシフトと動画シフトが進む

もちろん、テレビ広告を打てる企業は限られる一方で、記事タイトルにもあるようにSNSユーザーが投稿するコンテンツはリッチ化が進んでいる。情報過多の時代において、テキストベースの広告ではその存在が埋もれてしまい、結果的に製品購買へのコンバージョンはおろか、ブランドリフト効果さえ結びつかない恐れがある。

Facebook Japan Head of Vertical Industry 本部長 鈴木 大也氏

「Facebookは3兆円の売上高のうち、8割がモバイル収益。モバイルシフトが進む中で、以前はテキストベースだったものが、写真に、そして動画へと急速に移行している。例えば、ある調査データでは2020年にトラフィック量の8割が動画になるとも言われている。動画接触の機会も多様化し、1/3が10分以上の動画、2/3が10分未満の動画再生という環境になっている。

また、Instagramでは『Stories』という24時間で消去される新しいコミュニケーションフォーマットを用意し、デイリーユーザーが1.5億人まで達している。こうしたあらゆるフォーマットを用意することで、広告主の要求にも柔軟に対応できる」(Facebook Japan Head of Vertical Industry 本部長 鈴木 大也氏)

例えば、通常の「インストリーム」もある一方で、全画面型でユーザーにブランドを訴求するキャンバス広告、その中間点に位置して、画像などに混ぜ込む形で広告掲出する「カルーセル」などが存在する。ちなみに、Facebookはさらに動画の延長線上としてVR/ARを見据えている。すでに360度動画をFacebook上で再生できるほか、VRプラットフォームの「Oculus」を買収したことは記憶に新しい。

短時間でブランド価値を伝える工夫を

ただ、効果的な動画広告の運用には「モバイル最適化フォーマットが重要だ」と、鈴木氏らは3つのポイントを語る。公共の場や会社などにいるケースが多い日中では、ほとんどのユーザーがスマートフォンをマナーモードに設定しているため、無音でも「どんな広告か」をわかってもらう必要がある。例えば、面白いコントで関心を引きたい動画を制作した場合は、わかりやすい字幕をつけることで、無音でも内容を理解してもらうことが必要だろう。

また、もう一つ重要なポイントが「結論は最初に」というものだ。これはなぜか。