ケイ・オプティコムは2月16日、コンテンツとデータ通信をパック販売する新ブランド「+SIM(プラスシム)」の立ち上げを発表した。

同社はこれまでもMVNOの「mineo(マイネオ)」を提供しているが、サードパーティの有力コンテンツと紐付けた携帯回線の提供によって、固定ファンの呼び込みと新規顧客の開拓を狙う。第一弾は、日本経済新聞が提供する日経電子版と組み合わせた「日経電子版+SIM」で3月1日から販売する。

日経電子版+SIM

mineo提供のケイ・オプティコムが新ブランド

記者説明会でケイ・オプティコムのモバイル事業戦略グループ グループマネージャーの上田 晃穂氏は、同社のモバイル事業成長の鍵として、既存市場における伸長以外に「上位レイヤーのコンテンツサービスと組み合せた新事業領域が鍵になる」と話す。

mineoというB2Cのブランドと、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)としてQTNetなどを支えるB2B事業、そして今回の+SIMでは新たにB2B2C領域、コンテンツプロバイダーとタッグを組むことで新しい付加価値を提供する方向性を打ち出した。

+SIMのロゴを掲げるケイ・オプティコム モバイル事業戦略グループ グループマネージャー 上田 晃穂氏

パートナー企業と組むB2B2Cモデルでサービスを提供する

日経電子版については、日本経済新聞の販売委託パートナーとなることで、日経電子版のアカウント販売を行う代理店として立ち回り、これに携帯回線を組み合わせて販売を行う。過去にもSHARPが電子書籍サービスと、ソニーが同社製デバイスと、U-mobileがiPadやルーターなどと組み合わせて販売を行った例があるが、デバイスを必要とせず、純粋な「携帯回線+日経電子版」で提供される形態は初めてと見られる。

これまでのケースでは、電子書籍ストアとの紐付け、デバイスとの紐付けが強制されていたが、日経電子版+SIMではこれらの縛りが存在しない。ケイ・オプティコムがドコモのネットワーク(Dプラン)を用いて提供する回線という前提のみで利用できることになる。

なお、月額料金は5GBのデータ通信のみで4946円、10GBで5946円(いずれも税別)となり、主要携帯3キャリアの一般的な「5GBプラン=5000円」と日経電子版の通常月額契約料金の3889円を足した8889円から大幅なコストダウンを実現している。音声通話とSMSが必要な場合は+700円で利用できるため、かけ放題との違いはあるものの、こちらも割安で利用できる。

+SIM提供の意図とは?

+SIMのブランドコンセプトは「ジブン、アップデート」。MVNOが「格安スマホ」を提供する会社とされて久しいが、価格優先ではなく、「価値」や「(自分)らしさ」という付加価値を提供できるサービスとして「+SIM」という新ブランドが立ち上がった。