「ECサイトのカエルパルコ / カエルブログですが、商品告知/販売活動を担当してくれているのは店頭で接客する販売員。お客様のニーズと商品の特長を良く知るショップスタッフがコンテンツを作ってくれています。サイトでの売上は販売員の成果になるので、モチベーションも高い。こうした仕組みがご好評いただいている秘訣です」

講演したパルコ・シティ シニア・コンサルタントの村石 怜菜氏

他社とは異なる戦略で注目を浴びているPARCOのオムニチャネル施策。その概要が、11月9日開催の第28回 マイナビニュース スペシャルセミナー『商業施設「PARCO」のオムニチャネル戦略と最新デジタル・IoT活用』で明かされた。

店舗スタッフの成果になるECサイト

流通小売業界のWeb施策/オムニチャネル施策では、マーケティング部門などの本社側でコンテンツを作ることがほとんど。現場の店舗販売員は、まったくの無関係か、見返りのないお手伝いというケースが多いだろう。

対してカエルパルコ / カエルブログでは、各店舗の販売員が告知・販売し、発注があった際には自らの手で商品発送も行う。店舗での取り置きを選択した顧客には、お礼の言葉を直接伝えることもできる。しかも、カエルパルコでの売上は、店舗の売上として計上される。

ECサイトでありながら販売員に顧客が付く仕組みで、販売員が売り方も工夫する。その結果、一般的なECサイトよりも高い単価で売れる傾向にあるという。

記事クリップ増やして前週比売上200%

さらに同社は、顧客の行動分析にも力を入れ、その成果を積極的に店舗に展開しようとしている。

同社は2014年に、カエルパルコ/カエルブログの各種閲覧機能とポイントプログラムを備えたスマホアプリ「POCKET PARCO」をリリース。その利用データから顧客の行動を分析したところ、ブログ記事10クリップで1回の店頭購買につながる傾向にあることがわかった。

そこで、記事クリップしたユーザーに特別ポイントを付与するキャンペーンを実施。その結果、前週比で200%という、セールイベント期間並みの売上を記録したという。

そのほか、今年3月には、POCKET PARCOにAIによるレコメンド機能を追加。施設内でもIoTを活用して人流の把握、天候変化に対応できる環境を整備するなど、先進技術を取り入れた施策も積極的に展開しているという。

「お客様のLTV(Life Time Value)の最大化は、イコール、ショップスタッフの接客バリューの最大化」と語る村石氏。システムだけに頼らない、”血の通った”オムニチャネル施策の大切さを強調して降壇した。

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本稿では、同セミナーの講演スライドを無償で提供します。興味のある方は、以下の資料紹介内のリンク、あるいは記事末の「今すぐ資料をダウンロード」ボタン、「ダウンロードBOXに入れる」ボタンからダウンロードしてください。

講演資料の内容


講演資料は全45ページ。PARCOが展開するオムニチャネル施策について、具体例を交えながら解説しています。

講演を担当したパルコ・シティは、コンサルティングサービスも展開しており、PARCOだけでなく、全国の小売企業に対してWeb/ICT活用施策を展開しています。そこで使われているノウハウが満載です。

<PDF内容>

  • PARCOのオムニチャネル構想
  • ショップブログの価値向上と進化 ブログに店頭EC機能を追加
  • 重要なのは、システムだけでなく「オムニチャネルなショップスタッフ」の育成
  • スマホアプリ「POCKET PARCO」でよりパーソナルな顧客接点を実現
  • CLOを採用 館内でのクレカ購入金額に応じてポイントが貯まる
  • アプリユーザーの分析でマーケティングが変わる
  • さらにもう一歩、リアル接客の場への活用
  • アプリ「POCKET PARCO」へのAI(人工知能)搭載
  • IoT(Internet of Things)の活用
    ……など

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