先週はオフラインフォルダ機能の概要とサーバ側での設定について解説したので、今週はクライアントPC側での操作について解説する。また、オフラインフォルダ機能が初めて登場したWindows 2000と現在とでは用語に違いがあるので、それについても紹介しよう。

オフラインフォルダの使用開始を宣言

クライアントPC側でオフラインフォルダを利用する際の手順について解説する。まず、クライアントPCのOSとしてWindows Vista、あるいはWindows 7を使用する場合からだ。

  1. 通常の手順で共有フォルダに接続する。

  2. オフライン状態で利用したいファイル、あるいはフォルダを選択して、[ファイル]-[常にオフラインで使用する]、あるいは右クリックして[常にオフラインで使用する]を選択する。この操作により、オフライン使用の宣言を行うことになる。

目的のファイル、あるいはフォルダを選択して、[常にオフラインで使用する]を選択すると、手元にコピーを作成する

  1. Windows VistaとWindows 7では、この操作によって直ちに同期を行い、ローカルドライブにコピーを作成する。以後は、そちらを開いて表示あるいは編集を行う形になる。

オフライン利用が可能になったことを示すメッセージを表示する

  1. オフラインフォルダの設定と同期が完了すると、オフラインで使用するように指定したフォルダ、あるいはファイルのアイコンが変化する。

ここまでの操作により、オフラインフォルダでの使用を宣言したファイルを開くと、同期によって手元に作成したコピーを開いたり、編集したりするようになる。ファイル名として示される名前はUNCパスのままだが、実際に操作している対象は手元のコピーだ。

オフラインフォルダ使用の終了を宣言

こうしてオフラインフォルダの使用を宣言すると、対象となったファイルにはロックがかかり、他のユーザーは編集できなくなる。そのままでは他のユーザーが不便な思いをする可能性があるので、用が済んだら速やかにオフラインフォルダでの使用を終了するほうが良い。

オフラインフォルダでの使用を終了するには、目的のファイル、あるいはフォルダをサーバの共有フォルダ側で選択して、[ファイル]-[常にオフラインで使用する]、あるいは右クリックして[常にオフラインで使用する]を選択する。このメニューアイテムはトグルになっていて、選択操作によってチェックマークを外すと、オフラインフォルダでの使用を終了する仕組みだ。この操作により、ローカルドライブにあるコピーをサーバ側と同期した上で、ローカルドライブ側のコピーを削除する。

オフラインフォルダの指定を行うと、アイコンが変化する。この状態で当該ファイルについて[ファイル]-[オフラインで使用する]、あるいは右クリックして[オフラインで使用する]を選択すると、オフラインフォルダでの使用を中止する

ローカルドライブにあるコピーとサーバ側ファイルの同期

オフラインフォルダでの仕様を宣言したうえで、対象となるファイルを編集・更新すると、前述したようにローカルドライブ上に作成したコピーを更新する。その時点では、共有フォルダにあるオリジナルには何の変化も生じていない。

その、オリジナルである共有フォルダ上のファイルに変更を反映させるには、「同期」と呼ばれる操作が必要になる。Windows Vista/Windows 7では、ローカルドライブ上のオフラインファイルと共有フォルダ上のオリジナルを同期させるために、[同期センター]を使用する。

[同期センター]には、[同期メンバシップ」という用語がある。これは、オフラインフォルダでの使用を宣言したファイルごとに自動設定するもので、複数のファイルについてオフラインフォルダでの使用を宣言すれば、その数だけ[同期センター]に登録される。[同期センター]への登録は、オフラインフォルダでの使用を宣言することで自動的に行うため、ユーザーが意識する必要はない。

[同期センター]は、コントロールパネルでカテゴリ別の表示を解除してすべてのアプレットを表示させると現れる。また、ノートPCでは[ハードウェアとサウンド]以下にある[Windowsモビリティセンター]から呼び出すこともできる(Windows 7の場合)。

ノートPCでは、[Windowsモビリティ センター]にある[同期]を使って同期させることも可能

[同期センター]の画面には、登録されている同期メンバシップの一覧が現れる。その一覧の上にある[すべて同期]をクリックすると、登録してある同期メンバシップすべてについて、サーバ側との同期を行う。個別の同期メンバシップを選択して、一覧の上に現れる[同期]をクリックする方法では、特定の同期メンバシップだけをサーバ側と同期できる。

特定の同期メンバシップを選択していない時は、[すべて同期]はすべての同期メンバシップの一斉同期で使用する。同期メンバシップを選択して、個別に[同期]で同期させることも可能