Windows Terminal Preview v0.7

Windows Terminalプレビュー版の最新版となる「Windows Terminal Preview version 0.7」が公開された。Microsoft Storeから最新のプレビュー版をインストールできるほか、Releases · microsoft/terminal · GitHubから最新版のパッケージをダウンロードすることができる。すでにWindows Terminalがインストールされている場合には、いったん削除してから、改めてインストールするとよいだろう。

Windows Terminal Preview version 0.7

正式版の公開へ向けて作業が進められている段階だが、今回のバージョンにも積極的に新機能の導入が行われている。どの機能も毎日使っていく上で重要な機能なので、個別に取り上げて紹介しておきたい。Windows Terminalはまだ多機能ターミナルアプリケーションとは言えないが、かなりそれに近いポジションには到達しつつあるように思う。

タブ内分割「ペイン」機能

上級者がよく使う機能の1つに「ペイン」がある。タブの中でさらにスクリーンを分割して使用する方法だ。例えば、Windows Terminalをフルスクリーンで使っている場合、スクリーンとしては大きすぎて右側が余白スペースになってしまうことがある。この場合、ペインを使って画面を左右に2分割できれば、同時に2つのシステムを表示させながら使うことができる。1つはWSLで動作するUbuntu、1つはリモートで動作しているUbuntu Server、といった具合だ。

Windows Terminal Preview v0.7にこの機能が導入され、利用できるようになった。複数のサーバをモニタリングする場合など、このようにペインが利用できるとかなり便利だ(タブも便利なのだが、同時に表示させることができない)。

次のスクリーンショットは、Windows Terminal Preview version 0.7でペインを使ったものだ。タブ内部が複数の画面に分割されていることを確認できる。

Windows Terminal Preview version 0.7の動作例

タブを左右に分割したサンプル

タブを上下に分割したサンプル

タブを上下左右に分割したサンプル

ペインの作成やサイズの変更はショートカットキーで行う。現時点では次のショートカットが設定されている。

ショートカットキー 操作
Alt-Shift— 右にペインを作成
Alt-Shift-= 下にペインを作成
Alt-↓ 下のペインへ移動
Alt-← 左のペインへ移動
Alt-→ 右のペインへ移動
Alt-↑ 上のペインへ移動
Alt-Shift-↓ ペインを下方向へリサイズ
Alt-Shift-← ペインを左方向へリサイズ
Alt-Shift-→ ペインを右方向へリサイズ
Alt-Shift-↑ ペインを上方向へリサイズ

この機能はまだ実験的な面があり、今のところ新しいペインでは自動的にデフォルトのプロファイルが起動してしまう。対象を指定してのペイン作成は今後のバージョンで機能が追加されることになっている。

タブの並び替え機能

Windows Terminal Preview version 0.7にはタブの並び替え機能も導入された。タブを移動して左右の配置を変更できるというものだ。Webブラウザではタブの左右への配置変更はあたりまえの機能だが、実はこの機能が動作しないアプリケーションも多い。タブが移動しないとストレスを感じることも多いので、Windows Terminal Preview version 0.7でタブが移動できるようになったことは嬉しいことだ。

次のスクリーンショットはタブを移動させた場合のサンプルだ。

タブを2つ開いた状態のWindows Terminal Preview version 0.7

タブをドラッグして場所を入れ替えた場合のサンプル

Windows Terminal Preview version 0.7では特にペインとタブ移動の機能が注目される。直接ユーザーに関係する機能だけに嬉しいところだ。

モダンなターミナルに近づくWindows Terminal

ペインの導入でWindows Terminalはモダンなターミナルアプリケーションに一歩近づいた感じだ。ペインを多用するユーザーにとってはペインがないとターミナルアプリケーションとして使いものにならないため、この機能があるのとないのとでは大きな差がある。

多数のエキスパートに使われている多機能ターミナルアプリケーションと比べると、Windows Terminalの提供している機能はまだまだ少ない。しかし、開発のエコシステムが上手く機能しており、ユーザーからの需要が高い機能から順次マージが進んでいるように見える。正式リリースへ向けた開発も注目されるが、リリース後の開発も期待できそうな勢いだ。今後の展開からは目が離せない。