Windows 10でLinuxを使う (その34) - Window Makerをインストール

【連載】

にわか管理者のためのLinux運用入門

【第147回】Windows 10でLinuxを使う (その34) - Window Makerをインストール

[2018/10/09 08:00]後藤大地 ブックマーク ブックマーク

サーバ/ストレージ

WSLを利用することでWindows 10でLinuxを実行できるようになった。「VcXsrv」のようなXサーバをWindows 10にインストールすれば、Windows 10でLinuxのデスクトップ環境を利用することもできる。ただし、すでにWindows 10というデスクトップ環境が存在するところにLinuxのデスクトップ環境を用意するというのは、ちょっとばかり重複するので無駄が大きい。

デスクトップ向けのLinuxディストリビューションでは「GNOME」または「KDE」といったフルスペックの統合デスクトップ環境が主流だ。しかし、WSLで利用するには少々重すぎるというか、無駄すぎる。そこで前回までは「XFce4」と「LXDE」という軽量のデスクトップ環境を紹介した。今回はXFce4やLXDEよりもさらに軽量な「Window Maker」を紹介する。

Windows Makerは、いわゆる統合デスクトップ環境というよりも「ウインドウマネージャ」というソフトウエアに分類される。ウインドウのルック&フィールや基本的な取り回しを提供しており、関連するもろもろのソフトウエアまでには手を出していない。ウインドウマネージャには数十種類が存在するが、Window Makerはそのなかでも完成度が高く、「ドックアプリ」と呼ばれる小さなツールアプリやユーティリティアプリが充実しているという特徴がある。WSLで自分でカスタマイズした軽量なLinuxデスクトップを構築するならWindow Makerは有力な候補の1つだ。

Window Makerインストール

Window Makerに加え、最も基本的なソフトウエアとしてターミナルアプリケーションとWebブラウザ、それに日本語フォントをインストールするとすれば、次の4つのパッケージをインストールすることになる。

パッケージ コマンド 内容
wmaker wmaker ウィンドウマネージャWindow Maker
fonts-noto Notoフォント
chromium-browser chromium-browser Chromium Webブラウザ
lxterminal lxterminal LXDEターミナルアプリケーション

■上記パッケージをインストールするコマンド

sudo apt install wmaker 
sudo apt install fonts-noto
sudo apt install chromium-browser   
sudo apt install lxterminal

まず、XサーバのVcXsrvを起動しておく。どのモードでもよいのだが、Window Makerを機能させるにはフルスクリーンモード、ワンラージウインドウ、タイトルバー付きワンウインドウのどれかを選択して起動しておく。

VcVsrvを起動

インストールしたWindow Makerは、次のコマンドで起動することができる。

export DISPLAY=localhost:0.0
wmaker

起動してくるWindows Makerは、次のようにシンプルなものだ。

シンプルな状態のWindow Maker

左上と右上に四角いアイコンのようなものを見ることができると思うが、これがWindow Makerの特徴的なUI/UXだ。Window Makerではこの四角いサイズのアプリを「ドック」と呼んでおり、いくつもドックアプリが存在している。ドックアプリやユーティリティ系のアプリが多く、デスクトップ環境をより便利なものにしてくれる。

Window Makerカスタマイズとドックアプリインストール

Window Makerは最も右上にあるWMDockをダブルクリックすることで設定パネルを起動することができるのだが、パスが異なっており、ダブルクリックしても何も起動してこないかもしれない。その場合、WMDockの上で右クリックしてメニューからSettings…を選択し、次のダイアログを起動させてほしい。

WMDockの設定パネル

Application path and argumentsが/usr/bin/WPrefsになっていない場合、次のようにパスを書き換えてOKボタンをクリックする。

Application path and argumentsを/usr/bin/WPrefsに設定

この状態でWMDockをダブルクリックすれば次のようにWindow Makerの設定パネルが起動してくる。

Window Makerの設定パネルWPrefs

Windows Makerの設定はこのWPrefsを使うことで編集できる。いろいろな変更が可能なので、ひととおりいじってみるといいんじゃないかと思う。

Window Makerで利用できるドックアプリの情報はdockapps.netにまとまっている。どのようなドックアプリが存在しているのか、軽く探ってみるといいだろう。

Window Makerドックアプリの情報がまとまっているwww.dockapps.net

www.dockapps.netにドックアプリのサンプルと説明がまとまっている

よく使われていそうなドックアプリを次の表にまとめておく。気に入るドックアプリを見つけることができると思う。

パッケージ コマンド 内容
asmon asmon システムモニタドックアプリ
wmsysmon wmsysmon システムモニタドックアプリ
wmforkplop wmforkplop TOPコマンドドックアプリ
wmtop wmtop TOPコマンドドックアプリ
wmcpuload wmcpuload CPU負荷モニタドックアプリ
wmload wmload CPU負荷モニタドックアプリ
wmcube wmcube CPU負荷モニタドックアプリ
wmfsm wmfsm ファイルシステムモニタドックアプリ
wmcalc wmcalc 計算機ドックアプリ
wmtime wmtime 日付時計ドックアプリ
wmitime wmitime 日付時計ドックアプリ
wmclock wmclock 日付時計ドックアプリ
wmclockmon wmclockmon 日付時計ドックアプリ
wmcalclock wmcalclock 日付時計ドックアプリ
wmfsm wmfsm ファイルシステムモニタドックアプリ
wmifs wmifs ネットワークトラフィックモニタドックアプリ
wmnd wmnd ネットワークインターフェースモニタドックアプリ
wmnet wmnet ネットワークモニタリングドックアプリ
wmmemload wmmemload メモリ/スワップモニタドックアプリ
wmsun wmsun 日の出日の入りドックアプリ
wmwork wmork 作業時間計測ドックアプリ
wmweather wmweather 天気予報ドックアプリ
wmbiff wmbiff メール通知ドックアプリ

カスタマイズしたWindow MakerとインストールしたターミナルアプリケーションやWebブラウザ、Window Makerドックアプリを動作させると次のようになる。

Window Maker動作例

Window Makerはそれ単体では依存関係が少なく軽量に利用することができる。ドックアプリも便利だ。WSLのような環境でLinuxをデスクトップ的に利用するならWindow Makerは1つの選択肢になってくれるはずだ。最近のデスクトップ向けLinuxディストリビューションはよくできており、個人がウインドウマネージャから個別にソフトウエアをインストールしてデスクトップ環境を構築することはほとんどないと思う。WSLではある意味それがやりやすい環境とも言える。このタイミングで試してほしいところだ。Linuxはこうした構築やカスタマイズが行いやすいところにも魅力がある。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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