Debian GNU/LinuxがWindowsストアに登場

WSL (Windows Subsystem for Linux)関連の新しい話題が止まらない状況だ。Windowsストアに「Kali Linux」が登場したことが発表された翌日、Microsoftは「Debian GNU/Linux for WSL now available in the Windows Store」において、Windowsストアに「Debian GNU/Linux」が登場したと伝えた。Kali Linuxが登録されたよりもビッグニュースだ。これでWindowsストアにはUbuntu、openSUSE Leap、SUSE Linux Enterprise Server、Kali Linux、Debian GNU/Linuxの5つのディストリビューションが登場したことになる。

Windowsストアに登場したDebian GNU/Linux

Q-Successの調査結果によれば、2018年3月におけるWebサイト向けLinuxディストリビューションはUbuntuが39.2%で1位、これに次ぐのが31.0%のDebianだ。3位にはCentOSが20.5%でつけており、この3つのディストリビューションで90%を超えている。

オンラインショップにせよ家電量販店にせよ法人向け販売にせよ、今新しくPCを購入しようとすればWindows 10かmacOSを搭載したプロダクトを購入することになるだろう。シェアを考えるとWindowsとmacOSの割合は9対1といったところだから、大体はWindows 10のPCを買うことになる。

そのWindows 10 PCではLinuxディストリビューションを5つインストールできる。Ubuntu、openSUSE、SUSE Linux Enterprise Server、Kali Linux、Debianだ。Linuxを仮想環境にインストールするよりも簡単だ。UbuntuとDebianがインストールできるのだから、Linuxを取り巻く状況はかなり変わったと言えるだろう。

Debian GNU/Linuxをインストール

Debian GNU/Linuxのインストールは簡単だ。これまで紹介してきたほかのLinuxディストリビューションと同じように、基本的にWindowsストアでDebian GNU/Linuxを選択し、インストールを実施すればよい。インストールの終盤にはコンソールが起動してきてユーザー名とパスワードの入力を求められるので、これを入力してセットアップも完了である。

ユーザー名およびパスワードを入力してDebian GNU/Linuxインストールが完了した直後のコンソール

Debian GNU/Linuxのパッケージ管理システムはapt(8)だから、インストールしたらまずは次のようにインストールされているパッケージのアップグレードを実施しておく。

sudo apt update
sudo apt upgrade

インストール済みパッケージのアップデートおよびアップグレード

sudo apt install screenfetchのようにscreenfetchコマンドをインストールして実行すると次のようになる。

screenfetchコマンドの実行例

仮想環境にLinuxディストリビューションをインストールするのも、現在ではかなり簡単だ。サイトからインストーラのISOイメージをダウンロードしてきて、仮想環境を新規セットアップ。しかるべき設定をしたらインストーラから仮想環境を起動し、インストーラにしたがってセットアップ処理を行う。仮想環境が登場する前と比べれば、手軽にインストールできるようになった。

しかし、WindowsストアからインストールするWSLのほうがもっと簡単だ。基本的に1回クリックして、あとはユーザ名ーとパスワードを入力するだけになっている。今のところRed Hat系のディストリビューションがWindowsストアに追加される強い理由は見当たらないが、もしFedoraやCentOS、Red Hat Enterprise LinuxもWSLで利用できるようになれば、Linuxを使うならWindows、という状況にもなりかねない。かなり面白い状況になってきたと言えるだろう。