ガートナー ジャパンは10月31日~11月2日、都内で「Gartner Symposium/ITxpo 2017」を開催。11月1日には同社 主席アナリストの青山浩子氏が登壇し「CIOが理解すべき統合システムの3大インパクト」と題する講演を行った。本稿では、講演の内容をダイジェストでお届けする。
統合システムの定義と意義を理解せよ!
登壇した青山氏は、まず「ベンダーから提案を受けているが内容がわからないというユーザーの割合は42%に達します。統合システムとは何を指すのか、どんなインパクトをもたらすのか。ベンダーから提案されたときにきちんとチェックできるようにしておくことが大切です」と切り出した。
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ガートナー ジャパン リサーチ部門 主席アナリスト 青山浩子氏 |
ガートナーによる統合システムの定義は「サーバ、ネットワーク、ストレージのインフラストラクチャを組み合わせ、プロビジョニングと管理を容易にする管理ソフトウェアを備えたシステム」だ。さまざまな製品・ソリューションがあるが、大きく分けると「統合インフラストラクチャシステム(IIS:Integrated Infrastructure System)」「統合スタックシステム(ISS:Integrated Stack System)」「ハイパーコンバージド統合システム(HCIS:Hyper-Converged Integrated Systems)」「HCISを発展させたコンポーザブルインフラストラクチャ」の4つになる。
「4つの製品分類がありますが、まずは大きく2つで捉えることがポイントです。前2者がコンバージドインフラストラクチャ(CI)、後2者がハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)となります。CIとHCIの違いは、HCIはサーバのDASをソフトウェアデファインドストレージ(SDS)として実装していることです」(青山氏)
4つの製品は、ソフトウェアデファインドかどうか、統合の仕方が垂直か水平かで特徴を見ることができる。おおよそ、IISからHCIへ向かってソフトウェアデファインドと水平統合が進んでいくという位置づけだ。ではなぜ今、統合システムなのか。
「ビジネス側からは、『スピード』『スケール』『コスト最適化』が求められています。ただ、ITインフラは遅く、時間がかかります。サイロ化・属人化が進み、スケールしにくいという課題もあります。予算ありきのコストで投資に回す余裕もありません。こうした課題に対し、統合システムは、これまでのスピード感を格段に上げることができます。また、固定化されたリソースの限界を打ち破ることや、過剰コストを減らし、新たなテクノロジー投資へ転換することが期待されています」(青山氏)
例えば、統合システムのスピード感は、導入数日、設定数日、本稼働まで半年以上かかるところを、導入数分~10分、設定数分、稼働までの時間を15分にまで短縮する。
「選択の目安としては、評価から調達をスピードアップしたい場合はIISやISS、構築から導入をスピードアップしたい場合はHCISです。ただ、特殊要件を持ち込もうとするとスピードダウンしてしまうことに注意する必要があります。データセンターにおけるHCISの展開の70%は、2020年までに、オンプレミスのクラウド環境に必須の機能とパブリッククラウドへの接続性を備えることが見込まれています」(青山氏)
※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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