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2PB級の動画配信に耐えるストレージシステムを、DMMはいかに構築したのか?

[2017/11/02 12:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

当初の課題は全て解決 - 1つだけ浮上した問題とは?

DMMでは2016年7月、Scalityシステムの運用を開始した。システムは48台のIAサーバ、8+4のARC(Advanced Resiliency Configuration)構成とし、初期は1PBで導入して総容量2PBへと順次拡張していく方針とした。その結果、新規ストレージの構築が不要となることに加え、既存のストレージも集約でき、さらに管理工数を削減するという効果が得られたという。

また、ARC構成へと変えたことでスループットが向上し、キャンペーン時にCDNを利用することなく、オンプレミス環境だけで完結できるようになった。

佐藤氏は、「性能面の問題が解決した上、コストも浮く結果となりました」と説明する。

また、容量効率も向上しており、以前のGlusuterFSではサーバ48台構成で総容量1.3PBだったのに対し、RINGでは2PBに増えている。

佐藤氏は「基本的に、当初の課題は全て解決することができました」と総括したものの、動画配信に1年間使用してみた結果、性能面の課題が1つだけ生じていることを明らかにした。それは、データ量やアクセス数の増加により、2PBのうちの利用容量半ばでRING側のピーク時のI/Owaitが18%を超えるようになっていることだ。

「RINGへのリクエストが極めて多い我々の使い方でならではの課題でしょう。とは言えメリットは十分に享受しており、課題を解決しながら順調に拡張することができています」(佐藤氏)

今後の展望と、SDS導入を検討する企業へのアドバイス

現在DMMではさらに2PBの拡張を進めており、併せて性能向上と残る問題の排除、パラメーターチューニング、ScalityやOSのバージョンアップも実施していくという。

改善ポイントの1つである性能向上については、アプリやScalty側のチューニングによる対応は難しいことから、ハードウェアの構成変更を行う予定だ。

「具体的には、RINGのデータディスク総本数を倍増することにより、RING全体のパフォーマンスの向上を目指している」と佐藤氏は展望を語る。

最後に佐藤氏は、これからSDSおよびScaltyの導入を検討している企業に対して次のようなアドバイスを贈り、講演を締めくくった。

「SDSは、PBクラスの大容量データに対し、導入するだけで容量効率・対障害性・拡張性といったメリットを提供してくれるでしょう。ただし、ハードウェア基盤についてはIAサーバなら何でもいいというわけではないので、コストを考慮しながら自分たちの要件に合致したハードウェアを選ぶことが大事だと言えます。ユーザーの環境に応じて相応の効果は得られるはずなので、最適な構成を選び、効果を最大限に発揮するように構築してください」

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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