前回、Ubuntu風味のデスクトップを試せる「Ubuntu online tour」を紹介した。今回はもう少し突っ込んで、UbuntuをLiveCDで試す方法を紹介する。無償で利用できる仮想化アプリケーションを使用するので、PCが1台しかない場合でも大丈夫だ。最近のPCには大抵、仮想化機能をサポートしたプロセッサが搭載されているので使えるだろう。

UbuntuのダウンロードとVirtualBoxのインストール

まず、Ubuntuのサイトからデスクトップ版のISOイメージをダウンロードしていただきたい。このイメージはLiveCDの機能も持っているので、とりあえずインストールせずにこのLiveCDを試してみよう。

Ubuntuデスクトップ版のISOイメージをダウンロード

無料で利用できる仮想化アプリケーションはいくつかあるが、ここでは「VirtualBox」を紹介する。比較的扱いやすく、ほかの仮想化アプリケーションと違って商用でも利用できるので無難なのだ。まずは、VirtualBoxのサイトからインストーラをダウンロードしてインストールする。

VirtualBoxをダウンロード

なお、Ubuntu 16.04の場合、次のシステムリソースが最小限推奨されている。

  • プロセッサ 2GHz 2論理コア以上
  • メモリ 2GB以上
  • ディスク 25GB以上

ここではインストールしないのでディスクは必要ないし、上記スペックに到達していなくても一応動くので、上記スペックが用意できなくても、とりあえず仮想環境をセットアップして使ってみよう。

VirtualBoxのセットアップ、Ubuntu LiveCD起動、ちょっとした設定変更

インストールしたVirtualBoxを起動して、「新規」ボタンをクリックする。名前を入力し、タイプを「Linux」、バージョンを「Ubuntu (64-bit)」にする。

VirtualBoxで「新規」ボタンをクリックして仮想環境の作成開始

適当にリソースを設定しながら仮想環境を作成すると、次のようになる。インストールはしないので、仮想ディスクは作成しなくてもよい。

Ubuntu用の仮想環境

続いて、UbuntuのISOイメージからシステムを起動するために、「設定」をクリックして設定ダイアログを起動。「ストレージ」を選択して、「コントローラ:IDE」を選択し、右端のCDアイコンをクリックしてダウンロードしたISOイメージファイルを選択する。同じく設定ダイアログの「システム」の「マザーボード」タブで、「起動順序」に「光学」が含まれていることを確認し、設定したISOイメージからシステムが起動される設定になっていることをチェックしておく。

CDとしてダウンロードしたUbuntu ISOイメージファイルを設定

指定したISOイメージファイルから起動する設定になっていることを確認

設定が適切にできていれば、Ubuntuの画面が起動するはずだ。ここで「日本語」を選択するとともに「Ubuntuを試す」をクリックすることで、LiveCDモードでUbuntuを試せるようになる。

「日本語」を選択して「Ubuntuを試す」をクリック

LiveCDモードのUbuntu

ただし、このままだと画面が狭くて試しづらい。画面サイズを変更するには、VirtualBoxのメニューバーから「表示」→「仮想スクリーン」で、任意のサイズを選択する。

メニューバーから「表示」→「仮想スクリーン」でスクリーンサイズを選択

LiveCDで動作しているので、ストレージにインストールした場合に比べてアプリケーションの起動が遅いといった面はある。仮想環境にインストールした場合やPCに直接インストールした場合は、この環境よりもサクサク動作すると考えておけばよいだろう。

この状態から仮想ディスクへインストールすることもできるので、「しばらく使ってみようかな」と思うのであればインストールしてみると良いだろう。ここではVirtualBoxのウィンドウの中で動作させているが、フルスクリーンで利用するとWindowsで動作しているとは思えない使用感だ。また、今回紹介した方法はMacでも使えるので、そちらでもぜひお試しいただきたい。