ピュア・ストレージ・ジャパンは4月14日、オールフラッシュストレージの新モデル「FlashArray//m10」を同日より販売開始することを発表した。中堅・中小企業を意識したエントリーモデルで、価格が500万円~(物理容量5TBモデル)と、エンタープライズクラスのオールフラッシュストレージとしては安価に手に入ることが大きな特徴。

米Pure Storage アジア太平洋地域および日本担当副社長のMichael Alp氏

併せて同社は、国内の販売パートナーにネットワールドが加わったことも発表。シスコシステムズのサーバ/ネットワーク機器とFlashArray//m10を組み合わせた垂直統合型システム「FlashStack Mini」の提供も開始し、VDI(Virtual Desktop Infrastructure : デスクトップ仮想化)やプライベートクラウドを短期間かつ高信頼で構築できる環境を提供していく。

製品の詳細はこちらの記事でご確認いただくとして、本稿では、既存製品との違いや提供背景を簡単にご紹介しよう。

同社OS「Purity」搭載のエントリーモデル、違いはどこに?

FlashArray//m10は、既存のFlashArray//mシリーズと同じソフトウェアを搭載。重複排除/データ圧縮/シンプロビジョニングなどの機能を備えたOS「Purity」や、クラウドベースの管理ツール「Pure1」などが組み込まれ、ストレージとしての機能は上位機種と同じだという。

では、違いはどこにあるのかというと、データ容量の上限と性能(CPU)になる。例えば最大有効容量は、FlashArray//m10が25TB(物理容量10TBモデル)であるのに対し、FlashArray//m20は120TB(物理容量40TBモデル)。性能に関してもFlashArray//m10が100,000 IOPS(32K)に対して、FlashArray//m20は150,000 IOPS(32K)を実現している。

発表会に出席した米Pure Storage アジア太平洋地域および日本担当副社長のMichael Alp氏は、両モデルの違いについて「Apple製品に例えるなら、FlashArray//m10がiPhone、FlashArray//m20がiPadというイメージ。同じソフトウェアが搭載されているので機能は一緒です。自動アップデート、無停止データ移行が可能な『Evergreen Storage』も有効で、エンタープライズクラスの現場と同等の環境が整います」と説明した。

FlashArray//m10の概要

提供背景についてAlp氏は、「GB単価が下がっているフラッシュメディアだが、既存のモデルでは手の届かない企業が少なくありません。広くあまねくさまざまな企業にオールフラッシュストレージのメリットを享受してもらうために、今回エントリーモデルをリリースすることになりました」と説明。また、同モデルを提供するにあたり、中堅・中小企業にも広くリーチできるパートナーが必要であることからネットワールドが加わったことも明かした。

なお、ピュアストレージでは、FlashArray//mシリーズに重複排除/データ圧縮機能が予め組み込まれているため、物理容量ではなく有効容量をベースにスペックを公表している。ただし、システムの種類によって、データの削減率は異なるため、実際の有効容量は変わってくる。