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【レポート】注目企業が本音で討論! 新興ストレージベンダー座談会 (4) 自慢の導入事例、導入検討者へ各社からアドバイス

[2015/12/04 08:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

ストレージ購入時に決めるべき要件は?

──最後に、ストレージの採用経験が少ない管理者へのアドバイスという意味で、ストレージ購入時に決めるべき要件を回答いただきました。性能、容量、価格、信頼性、運用コスト、バックアップなどが挙がっていました。ワークロードや用途に応じて、適切なものを選択していく姿勢が重要ということのようです。

Violin Memory 青野氏:要件の前に、われわれ新興ストレージベンダーが当たる壁として、社名や製品導入実績が認知されていないということもあります。まずは新興ベンダーとして、正しくご理解いただくことが重要かなと感じます。

また、ベンチャーだから心配と思われないように、しっかりとした技術評価やサポートを行っていくことが大切です。

ピュア・ストレージ 阿部氏:個人的には、フラッシュに関して、ユーザーの皆さんの知識がアップデートされていない印象が強いです。感覚的には2年前のSSDの知識で製品を選定しているケースが多いですね。すでにほとんどのベンダーが解決している問題を気にされていることが少なからずあります。例えば、フラッシュの寿命やデフラグの必要性、RAIDの違いなどです。これらは、きちんと我々ベンダー側からメッセージを伝えていく必要があると感じています。

性能、容量、価格、重視すべきポイントは?

Nimble 川端氏

Nimble Storage シニアセールスエンジニア 川端真氏

──もう少し踏み込んで、性能、容量、価格を重視した製品を選択した場合に、何に気をつけるべきかを聞きました。最後にポイントとして整理しておきたいと思います。

Nimble 川端氏:性能重視の場合はブロックストレージ、価格重視の場合はオブジェクトストレージという分け方はできると思います。ただ、価格重視の領域と性能重視の領域では、要件も違いますから、細かい要件に合わせていろいろと検討の余地はあります。

Violin Memory 青野氏:性能重視型の場合は、瞬間風速的な性能よりも「持続する高い性能」「安定した低レイテンシー」が重要です。カタログやプレゼンからだけでは本当の性能は分からないので、導入するときにはPoC(Proof of Concept)を実施して、実環境でどのくらい性能が出るのかを検証することをお勧めします。容量重視型の場合は「省スペース性」と……実は「性能」も忘れてはいけない重要なポイントです。要件を満たせる性能は最低限必要ですので。

また、価格重視型の場合でも、安かろう、悪かろうではダメです。ストレージにとって「耐障害性」「データ保全性」は絶対に外せない要件です。

Synology(アスク)児島氏

Synology販売代理店 アスク 技術部FAE 児島雅之氏

サンディスク山本氏:非常に同意します。PoCで自分たちが望むものをきちんと評価することが重要です。ストレージは、ベンダーが独自のアイデアと工夫でさまざまな機能を提供しています。それぞれのシステムがどういうシーンに適しているのか、総合的な見方をして、システム全体で考えていくことが大切だと思います。

Synology(アスク) 児島氏:ハードウェアスペックやカタログ値で比較するのでなく、そのうえでどんなソフトウェアが動いているか、実装で工夫しているかを見てほしいと思います。NASだったら、LinuxでSambaを動かせば同じことができるだろう、と思うかもしれませんが、実際にはそんなにスピードがでません。

どんなチューニングをしているかを見ることも必要です。また、トラブルでエンジニアが工数をとられると最終的にコスト的が高くつきます。信頼性のある製品を選ぶことも重要なポイントです。

ティントリ 東氏:性能重視型では、場合によってはエラー訂正などの信頼性がトレードオフになっているケースもあります。製品選択の際に過度に性能を重視するといった姿勢ではなく、性能以外の要素、例えば信頼性、使いやすさなど、バランスを見ながら選択してほしいと思います。

ティントリ 東氏

ティントリジャパン SEマネージャー 東一欣氏

例えば、フラッシュやSSDを使うストレージでは、NANDフラッシュの特性(エラー訂正、書き込み性能の低下や寿命、ページ、ブロックサイズ)を考慮した設計のストレージかどうかを見極めていただければと思います。ハードディスクを主体としてきた従来型のストレージやSDSの種類によっては、この点が考慮されていない製品も見受けられます。

また、仮想化環境のストレージでは、ストレージ全体の性能だけではなく、仮想マシン1台1台に安定した性能を提供し続けられるかがポイントです。そして、LUNやVolumeの管理単位に縛られず、ティントリのように仮想マシン単位に管理できるかどうかも選定のポイントに挙げていただきたい所です。

QNAP (テックウィンド) 野嵜氏:個人的にはセキュリティ機能にも注意してほしいと思います。スマートフォンからのリモートアクセス機能など、便利な機能もありますが、セキュリティ面が甘くなるケースもあります。例え便利になっても、情報が漏洩すればその影響は甚大です。セキュリティを意識して使ってほしいと思います。

*  *  *

以上で、座談会レポートは終了となる。現場を知る担当者でなければ話せないトピックスが多く、楽しく学んでいただけのではないだろうか。

座談会の中にもあったが、増え続けるデータ処理へのニーズを背景に、ストレージ技術は今、急速に進化している。少し前の常識が通じないケースも出てくるので、これを機にぜひとも最新動向を注視していただきたい。

シリーズ企画『新興ストレージベンダー座談会』

以下の記事も併せてご覧ください。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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