ロボット駆動制御システムのアスラテックが描く「人とロボット協業モデル」 - SoftBank World 2017

[2017/08/28 12:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

開発ソフトウェア

人とロボットが当たり前に協業して働くような世界

アスラテックの駆動制御ソフトウェア「V-Sido」に対応するロボット

羽田氏によると、ロボットが普及するなかで、家電とロボット、産業用機械とロボット、乗り物とロボットなど、境界線が曖昧になってきているという。iRobotのルンバは家電でもありロボットでもある。自動運転車はクルマでもありロボットでもある。また、ロボットのなかでも、Amazon EchoとPepperの違いはどこにあるのか判断することは難しい。何がロボットかに正解があるのかについて、羽田氏はこう解説した。

「実際には、定義しだいでどのような分類も可能であるというのが正解です。ただ、代表的なロボットの定義はあります。それは、入力(センサー)を受けて、知能・制御で処理が行われ、その結果が出力されるというものです」

このような定義によるロボットは2016年に国内で112体販売されている。これは、国内のスマートフォン新機種数である91機種をすでに超える規模だ。また、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の予測では、見守りやコミュニケーション、受付・案内などで働くコミュニケーションロボットは市場全体の0.2%を占めると予測されている。検査や組立といった産業用ロボットや物流や移動を支援する業務用ロボットだけでなく、それらを含め、人とロボットが協業して働くような世界が身近に迫っている。

受付・案内などで働くコミュニケーションロボットは今後さらに増えると予測されている

例えば、自立支援用ロボットスーツ「HAL」、倉庫の在庫管理を自動化する「Amazon Robotics」、ホテルでのルームサービスを行う自走ロボット「Relay」、全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」、1000種以上のカスタマイズされたサラダを1分以内に提供する「Sally」など、注目できる製品、サービスがぞくぞくと登場している。

「2017年が初期の人工知能とロボットの組み合わせだとすれば、2020年頃からは人間とロボットが協業する世界が当たり前になるでしょう。さらにその後は、高度な人口知能とロボットが組み合わさり、人とロボットで人間以上の価値を模索していくことができるフェーズに入ると考えています」(羽田氏)

アスラテックが提供するV-SidoやVRcon for Pepperは、そうした世界の実現に向けた課題を解決していくものだ。V-Sidoは、駆動制御に特化した汎用ソフトウェアだ。「入力(センサー)、知能・制御、出力」というロボットの構成要素のうち、知能・制御の処理から出力までの部分を担当する。

「PCで出力に相当するのがディスプレイです。一方、ロボットで出力に相当するのが駆動です。電気式、油圧式、空圧式などがありますが、これらを制御するには、専門知識が必要で手間がかかります。V-Sidoはそうした駆動制御の開発を不要にするソフトウェアです」

大まかにいえば、ロボットの基本構造はPCと同じであり、それが「駆動」という仕組みで動くかの違いしかない。例えば、PCにタイヤや腕をつけて駆動させればそれがロボットになる。その駆動を制御するソフトウェアがV-Sidoというわけだ。

アスラテックでは、このV-Sidoを中核として、企画や製造、運用も手がけている。たとえば、建設機械の運転席に人型ロボットを設置し、遠隔からコントロールする「DOKA ROBO」は、バージョンアップを重ね、災害復旧現場や、危険地帯での利活用を視野にいよいよレンタルが開始された。既存の重機にロボットを乗せるだけで利用できるため、活躍の場は広いという。

また、VR技術でPepperを遠隔操作する「VRcon for Pepper」は、クラウドAIと人間のオペレータを組み合わせて、Pepperだけでは対応できないケースに臨機応変に対応する。例えば、インバウンド対応での中国語が不十分だった場合、オペレータがAIの力を借りながら、遠隔からPepperを操作する。オペレータ1人が複数台のPepperを操作できるため、生産性向上にもつながる。

最後に羽田氏は「『ロボットのいる社会へ』がわれわれのスローガンです。これを近い将来に実現させるために今後も取り組んでいきます」と講演を締めくくった。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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