【レポート】IPA、IoT製品の開発指針を公開 - IoT時代の到来を前に、企業が想定すべきリスクとは?

[2016/03/25 10:00] ブックマーク ブックマーク

開発ソフトウェア

IPA(情報処理推進機構)は3月24日、IoT製品に関する国内初の開発指針である「つながる世界の開発指針」を発表し、IPAのWebサイトで公開した。

IoT時代の到来により、あらゆるモノがインターネットを通じてつながり始めている。そこに新しいサービスが生まれ、社会生活はより便利で高度なものになっていくだろう。その半面、これまでつながることを前提に開発されていなかった製品同士がつながることで、さまざまなリスクが生じる可能性は否定できない。

IPA技術本部 ソフトウェア高信頼化センター 所長 松本 隆明氏

IPA技術本部 ソフトウェア高信頼化センター 所長 松本 隆明氏

IPA技術本部 ソフトウェア高信頼化センター 所長の松本 隆明氏は、「つながる対象が同じ業界の製品であれば、ある程度品質レベルを予測することもできる。だが、分野が異なると把握できず、思わぬリスクを生むことがある」と語る。

例えば、スマートフォンと自動車がネットワークを介してつながるケースを考えてみよう。通信における信頼性が要件になるスマートフォンと、人命にかかわる信頼性を要件に持つ自動車とでは、そもそも設計上、安全性に対する考え方はまったく異なる。つながったからと言って、それぞれがお互いの思惑どおりに動作するとは限らない。自動車と接続中のスマートフォンがハングアップしたら、自動車の制御が不能になるといった事態も起こりかねない。

したがって、今後のIoT製品の開発は、製品同士がつながることを前提にあらかじめリスクを洗い出し、対策を講じておくことが必要だ。そのベースとなる指針を示すことを目的に、IPAは2015年8月、IoT製品の利用者や製品の安全性・セキュリティを確保することを目的とした「つながる世界の開発指針検討ワーキンググループ(WG)」を立ち上げ、IoT製品の開発者が開発時に考慮すべきリスクや対策について検討を重ねてきた。今回発表された指針は、その成果物に当たる。

IoTでつながる世界において、想定すべきリスクとは?

名古屋大学 未来社会創造機構 教授/つながる世界の開発指針検討WG 主査 高田 広章氏

名古屋大学 未来社会創造機構 教授/つながる世界の開発指針検討WG 主査 高田 広章氏

「もともと、組み込みシステムの世界では配送トラックをサーバで管理するといったIoT的なことは行われていた。だが、IoTの真価は、こうしたシステムがさらに他のIoTとつながって、新しい価値を創造できるところにある。ただし、1つ1つのシステムは独立して管理されているため、統一したポリシーが出せない」と説明するのは、名古屋大学 未来社会創造機構 教授であり、つながる世界の開発指針検討WGの主査を務める高田 広章氏だ。

氏は、こうした状況を踏まえ、IoTの抱えるリスクの特徴として次の4つを挙げた。

  • 想定しないつながりが発生する
  • 管理されていないモノもつながる
  • 身体や財産への危害にもつながる、危害がつながりにより波及する
  • 問題が発生しても、ユーザーにはわかりにくい

これらのリスクには具体的にどういったものがあるのかを開発者側ができるだけ整理・把握し、それに対する対策を事前に検討することが必要だ。開発でリスクを解消するにはコストがかかりすぎるようなら、運用でカバーするといった対応をとることになる。指針では、守るべきものの整理に関する考え方から、つながりのパターン/リスク個所の整理の例、リスク分析の手順に至るまでがまとめられている。

「今回は、特定の企業や業界に寄らない一般的な指針として作成した。各業界に踏み込まないと決められない部分があるため、全体的に漠然としているような印象があるかもしれない。だが、まずは第一歩ということで、どの業界でも横断的に使えるものとしてとらえていただきたい。この指針を参考に、各業界で安全性を確保する標準などを作られている方々に、業界ごとの指針を作ってもらえると良いのではないかと思う」(高田氏)

>> 開発指針の有効な使い方とは?

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IPA(情報処理推進機構)は3月24日、IoT製品に関する国内初の開発指針である「つながる世界の開発指針」を発表し、IPAのWebサイトで公開した。開発指針では、IoT製品の開発時に考慮すべきリスクや対策が17の指針としてまとめられている。
https://news.mynavi.jp/itsearch/2016/03/24/IPA_002.jpg
IPA(情報処理推進機構)は3月24日、IoT製品に関する国内初の開発指針である「つながる世界の開発指針」を発表し、IPAのWebサイトで公開した。開発指針では、IoT製品の開発時に考慮すべきリスクや対策が17の指針としてまとめられている。

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