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「IBM Cloud」が機能拡張 - 分散クラウドを実現するサービスを発表

[2021/03/04 10:00]岩井 健太 ブックマーク ブックマーク

さらに、Security Leadershipに関して、安田氏は「クラウド上に保管しているデータと転送中のデータは保護の対策がされているが、処理中のデータに関しては課題がある。こうした課題に対してはVM(仮想マシン)のメモリを暗号化する技術であるコンフィデンシャルコンピューティングのアプローチが必要であり、IBM Cloudでは実装している」と説く。

具体的には、IBM z Systemsおよび同LinuxONEなどメインフレームのみで利用可能だった所有者にしか複合できないFIPS 140-2 Level4認定の鍵管理システム「Hyper Protect Crypt Service」がIBM Cloud上でも利用できることに加え、仮想環境やコンテナ化されたアプリの実行中メモリを暗号化する「IBM Data Shield」などを提供。

また、日本のISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)の取得を2021年内を目標に対応中のほか、3省2ガイドラインは同7月のリリースを検討している。

コンフィデンシャルコンピューティングへのアプローチにも取り組んでいる

コンフィデンシャルコンピューティングへのアプローチにも取り組んでいる

分散クラウドを実現する「IBM Cloud Satellite」

Open Hybrid Cloud Servicesでは、コンテナ共創センターとHybrid Cloud Build Team、米IBMが3月1日(現地時間)に提供開始を発表した「IBM Cloud Satellite」をはじめ、ハイブリッド/マルチクラウドのための取り組みやサービスを拡充している。

その中でも安田氏が重点的に説明したIBM Cloud Satelliteは、ユーザーのアプリケーションとIBM Cloud上のサービスがエッジやオンプレミス、IBM Cloud、他社のパブリッククラウドなどで稼働できる。また、RedHat OpenShift上で稼働するIBM Cloud Pakといったミドルウェアも任意の場所で稼働を可能としている。

同氏は「分散クラウドを実現するIBM Cloudのサービスの1つだ。前提条件はRed Hat OpenShiftの環境であれば、IBM Cloudのコントールプレーンを中心に多様な環境を一元的に利用・管理できる」とアピール。

「IBM Cloud Satellite」の概要

「IBM Cloud Satellite」の概要

例えば、オンプレミスで作ったアプリケーションを他のパブリッククラウドで稼働することや、パブリッククラウドで作ったテスト環境をオンプレミスにデプロイして本番環境にすることなどが可能だ。これまでは1つの閉じたクラウド、1つの閉じたオンプレミスであれば比較的簡単にコントロールできたが、今後の適材適所を考えた場合、ハイブリッド/マルチクラウドの管理環境が必要となるため、その際に活用できるサービスだという。

また、コンテナ共創センターでは同社とパートナーが共同でシステムインテグレーターやISVのソリューションやソフトウェアのコンテナ化を推進する。技術アドバイスの提供に加え、コンテナ基盤を無償提供するほか、勉強会を通じたコミュニティや企業間連携の場を提供し、4月1日の立ち上げを予定している。

コンテナ共創センターの概要

コンテナ共創センターの概要

国内では金融、へルスケアサービス向けでDSPが採用

同社では、これらの強みを武器に国内では昨年6月に金融サービス向けデジタルサービスプラットフォーム(DSP)を発表し、りそなホールディングスが他行への自社モバイルバンキングアプリの展開基盤として採用している。

DSPは、従来の基幹システムと業界ごとの業務アプリケーションの間のプラットフォームのため、基幹システムを変更することなく、新しいアプリケーションを構築する際に認証など共通の機能はプラットフォームの中で提供されることから、迅速に立ち上げられるというメリットを持つ。

金融サービス向けデジタルサービスプラットフォーム(DSP)の概要

金融サービス向けデジタルサービスプラットフォーム(DSP)の概要

そして、3月1日には藤田医科大学病院とヘルスケア領域におけるAI活用や高度なクラウドサービスを活用するためにヘルスケアサービス向けDSPの実現に向けた協業を目的に検討を開始。同プラットーフォームでは病院内に設置された従来型のシステムとクラウド上のサービスを融合する。これにより、情報セキュリティや既存インフラの利用に際して有利なオンプレミス環境を維持しつつ、最新のテクノロジーを利用することが可能になるという。

今野氏は「IBM Cloudの今年はフォーカスはインダストリークラウドだ。すでに発表している金融機関向けパブリッククラウドに加え、今後は規制が厳しい通信や医療、政府機関系に展開し、順次すべての産業に展開していく。日本のお客さまでも業界向けパブリッククラウドは実証実験をスタートしている」と力を込めていた。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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