年内最後はMicrosoft Igniteからひも解く"Azure Stackをもう少し"

【連載】

プライベートクラウド検討者のための Azure Stack入門

【第28回】年内最後はMicrosoft Igniteからひも解く"Azure Stackをもう少し"

[2017/12/27 08:00]高添 修 ブックマーク ブックマーク

クラウド

連載目次

前回は、イベント「Microsoft Ignite」でのAzure Stack関連セッションのなかから、ビジネス向けのポイントやハードウェア関連のセッションを紹介しましたが、「Azure Stackのユースケースについてもっと議論が必要」という声が多いので、年内最後は、イベントセッションのなかでご確認いただきたいものをもう少し紹介したいと思います。

BRK2108 - Digital transformation with Microsoft Azure and Azure Stack

米マイクロソフトのTechnical Fellow2人による定番のセッションです。セッションスライドは比較的易しく書いてありますが、「Old IT(これまでのITの使い方)」から「New IT reality(クラウド時代の新しいITの使い方)」に移っていくなかで、マイクロソフトのTechnical Fellowが市場をどのようにとらえ、今後どこに向かっていけばよいのかを、楽しそうに語る姿は見ものです。

もちろん、Azure Stackについても語っていて、例えば次のようなスライドもあります。

Azure Stackについてのスライド

「Azure Stackは単なる仮想化の置き換えではない」「Do it yourselfではない=自分で好きにパーツを組み合わせていくものではない」「一度展開したらそのまま忘れられるような静的なシステムではない」「.NETとWindowsだけのものでもない」といった具合に、これまでのIT基盤やマイクロソフトのビジネスをベースに見ないでほしいという大きなメッセージも含まれているので、Azure Stackそのもののコンセプトを改めて理解したいという方はぜひ、このセッションをご確認ください。実は、このスライドはAzure Stackセッションの共通メッセージスライドにもなっています。

BRK2106 - Deploying, managing, and supporting Azure App Service on Microsoft Azure Stack

PaaSにも触れておきましょう。Azure StackとPaaSの関係を考えるとき、大きく2つの観点が出てきます。1つはマイクロソフトがAzure Stack用に提供するネイティブサービスとしてのPaaSを利用するパターン、もう1つは3rd Party製のPaaSをAzure Stack上で利用するパターンです。

本セッションはネイティブサービスの説明が中心で、例えば以下のようなスライドが用意されています。

Azure App Serviceの説明

Web系のアプリ、モバイル系のアプリ、サーバレスのFunctions、そしてAPIをホストしてコントロールする仕組みなども提供し、まさにパブリッククラウドAzureのオンプレ版と言える機能が実現できます。

また、PaaSの良さは拡張性と柔軟性を持ち、アプリごとに可用性を考えなくてよいところにもありますが、Azure Stack PaaS内でどのような動きをしているかは以下のスライドで解説されています。

Azure Stack PaaS内についての解説

Azure Stackとして利用者からの要求を受けた後、PaaSのフロントエンドにその要求が流れ、管理用のサーバとやり取りをしながら最終的には実際に処理をするWeb Workerに処理が投げられる……というパターンを紹介しています。PaaSは開発者やビジネスに高い生産性をもたらしますが、その裏側で何が起きているかを知るにはとても良いセッションです。

BRK4015 - Edge-based applications with Microsoft Azure and Azure Stack

最後に、ハイブリッドクラウド環境における利用者に近いところ(Edge)のアプリケーションに関するセッションです。細かなパターンまで含めてしまうときりがないですが、本セッションではハイブリッドアプリケーションパターンを以下のスライドのように整理しています。

ハイブリッドアプリケーションパターン

IoTシナリオだと、以下のような絵が描けます。

IoTシナリオの場合のイメージ図

最初からAzureというパブリックにデータを持っていくこともできるでしょうが、それができない場合、もしくはAzureのデータセンターが近くにない場所でいったんデータを取得したい場合などもこちらのようなかたちは考えられます。

セッションの後半は、継続的デリバリー・継続的インテグレーションにおいてAzureとAzure Stack両方で使える「Visual Studio Team Service」や「Docker」などがどう組み合されていくのかも説明されているので、単なるAzure Stackの使い方の話ではなく、アプリケーションから見たハイブリッドな基盤のメリットなども見えてくるでしょう。

* * *

今回ピックアップしたいずれのセッションでも、それぞれ重要なポイントが含まれています。Igniteのセッションは50近くありますが、興味があるタイトルのセッション資料だけでも斜め読みしてみてはいかがでしょうか。時間がない……? いえいえ、年末にこたつに入って英語の動画を見ていただければ、英語の勉強とAzure Stackの勉強を兼ねることができますよ。

さて、本連載ではこれまで28回、Azure Stackが開発中だったこともあって、コンセプトやアップデートについて繰り返しお知らせしてきました。しかし、とうとうAzure Stackマシンが正式に出荷され、市場が動き出したので、来年は仕切り直しをして、Azure Stackの機能を改めてきちんと解説していこうと思っています。

著者紹介

日本マイクロソフト株式会社
高添 修

Windows 10やVDIの世界にいるかと思えばSDNやDevOpsのエンジニアと普通に会話をし、Azure IaaS登場時にはクラウドの先頭にいたかと思えばオンプレミスデータセンターのハードウェアの進化を語るセミナーを開くなど、幅広く活動するマイクロソフト社歴15年のベテラン。最近は主にAzure Stackをテーマにしたハイブリッドクラウドの普及活動に力を入れている。

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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https://news.mynavi.jp/itsearch/assets_c/2017/12/Azure28_005-thumb-400xauto-16309.jpg
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