Azure Stack Marketplaceについて(その2)

【連載】

プライベートクラウド検討者のための Azure Stack入門

【第21回】Azure Stack Marketplaceについて(その2)

[2017/06/15 08:00]小賀坂 優 ブックマーク ブックマーク

クラウド

前回は、Marketplaceの役割、およびAzure MarketplaceとAzure Stackとを連携させる「Azure Marketplace Syndication」について解説しました。それらを踏まえ、今回は「Azure Marketplace Syndication」以外のAzure Stack Marketplaceへのサービス登録について説明します。

Azure Stack TP3 refreshビルドで登録が可能なIaaSやPaaS について

Windows Server 2016の仮想マシンなどをAzure Stack Marketplaceにサービスとして登録するには、前回紹介したAzure Marketplace Syndicationが便利です。ただ、実際にはAzure Stack Syndicationに登録されているサービスや仮想マシンは限られており、手動でAzure StackのMarketplaceにサービスを登録する機会は多いはずです。例えば、マイクロソフトから提供されるWeb AppやAzure Functions、SQL ServerサービスなどのPaaS、独自に用意したカスタムテンプレートの登録などがそれに当たります。

手動での登録手順は「Azure Stack documentation」内に記載されていますが、ここで簡単に解説しておきましょう。流れとしては、仮想マシンのイメージを用意し、それをAzure PowerShellやAzureStack-Tools from GitHubを利用してAzure Stack Marketplaceに登録することになります。CentOSやCoreOS、UbuntuやSuSEであれば、Azure Stackでサポートされた仮想マシンのイメージが用意されているので、それをダウンロードして利用することが可能です。

IaaS VM イメージを Azure Stack Marketplace に登録

なお、Azure StackでPaaSを利用するにはひと工夫が必要です。まずはPaaSが稼働する環境の準備が必要なので、仮想マシンに対して必要なアプリケーションやシステムをインストールします。PaaSの良さは仮想マシンなどを意識せずにスケールアウトできたり、アプリを止めることなく基盤のアップデートができたりすることでもあるので、「仮想マシンを複数立ち上げるだけ」というこれまでの仮想化基盤の管理者とは違う目線が必要です。

さて、PaaSの基盤ができたら、それをサービスとしてAzure Stack Marketplaceに登録します。Azure Stackのドキュメントを見ればわかりますが、SQL Serverサービスなどは、多くの作業が自動化されているので手探りで進めるようなものではありません。ただ、今後さまざまなPaaSを社内に提供したいと考えているならば、PaaSを動かすための基盤になり得るVirtual Machine Scale Set(VMSS)やコンテナについても理解しておくと良いでしょう。

PaaSを Azure Stack Marketplace に登録

ちなみに、Azure StackのPaaSは、利用者目線では「Azure同様のサービスが利用できる」という利点があり、これまでサーバ管理だけを行ってきた管理者から見たときには「PaaSがどのように実現されているかがわかる」という利点があります。

Azure Marketplaceにカスタマイズしたサービスを登録

Azure Stack Marketplaceではサービスの一覧が表示されますが、表示されるアイコンや説明文、スクリーンショットといった項目を独自にカスタマイズしたいという要望もあるでしょう。現時点では、いったん登録したものを容易に変更する方法はありませんが、カスタマイズした情報を基にサービスを新規に登録することは可能です。

登録方法やカスタマイズの詳細については、「Create and publish a Marketplace item in Azure Stack | Microsoft Docs」に記載されていますが、ここでも簡単に解説しておきましょう。まず、カスタムイメージの登録を行うには、「Azure Gallery Packager tool」を利用します。このツールのなかには、サンプルとなるアイコンなども含まれているため、それらを参考にしてPNGファイルなどを作り、登録作業を行うとよいでしょう。

Azure Stack研究会のロゴを使ってAzure Stack Marketplaceに仮想マシンのイメージを登録したところ

この方法を覚えておけば、ISOファイルやVMイメージから作成した独自の仮想マシンをAzure Stack Marketplaceに登録できるので、Azure Stack利用者は業務を行う環境に最適化された仮想マシンを展開し、利用可能となります。

* * *

今回は、Azure Stack Marketplaceへのカスタムイメージの登録などについて解説しました。次回もAzure Stackに関する最新情報をお届けします。お楽しみに。

著者紹介

株式会社インターネットイニシアティブ
小賀坂 優

サポートエンジニア、公共系システムエンジニアを経て現職。プライベートクラウド環境としてのIIJ GIOとMicrosoft Azure/Office 365によるハイブリッドクラウド関連の新規サービス/ソリューション開発に従事中。Microsoft MVPという顔も持ち、ブログや勉強会登壇、コミュニティを通じてMicrosoftの製品やサービスの普及活動を行っている。
個人ブログ「焦げlog

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