AIはどこまでできるのか? - デジタルシフトの渦中にある金融業界の未来

[2016/12/05 15:50]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

銀行業務の「新しいかたち」

講演の後半、郡司氏は銀行業務の「新しいかたち」を示していった。チャネルを提供することに限られていた従来型の銀行業務に対し、新しいタイプの銀行業務では、多種多様な金融サービスが社会インフラに埋め込まれていくことになるという。

既に、そうした次世代の銀行業務を支えるテクノロジーの開発も進んでいる。例えば、マネーロンダリング対策のためのデータハブでは、データを分析することで今何が起きているのかをリアルタイムで把握できるようになる。さらに先進的な金融機関では、AIや機械学習を用いることで、ルールベースではわからなかった試みまでを発見しようとするアプローチに取り組んでいる。

「将来的には、AIだけで全てを判断できるような世界が実現されるかもしれません」と郡司氏は期待を込める。

また、規制対策(レポート自動化)のためのデータハブの開発も進んでいる。世界各国の金融機関は多くの規制の下にあり、監督官庁にレポートを提出することが義務付けられている。しかしそこには非効率な部分も多いため、インテルではClouderaなどと協力してレポーティング自動生成ソリューションの構築に取り組んでいるのである。

「Clouderaとインテルは非常に密接な関係にあります。ストレージやネットワークも含め、データセンターで使われる基本コンポーネントを我々が作らせてもらい、標準ビッグデータ基盤を徹底的に使いこなせるようなチューニングを施しています」(郡司氏)

本当のAIを実現するために - インテルの試み

今、世界で話題を集めているAIについて、郡司氏は「コグニティブコンピューティングと機械学習を組み合わせることに意義がある」と説明する。機械学習は音声認識や画像解析は非常に得意なのだが、それだけでAIを実現するのは難しい。そこでインテルが力を入れるのが、コグニティブコンピューティングだ。その理由を郡司氏は次のように語る。

「(インテルがコグニティブコンピューティングに注力するのは)『学習する』『思い出す』『理解する』『判断する』『行動する』といったことが可能なコグニティブコンピューティングと機械学習を連携することにより、本当の意味で人工知能と言えるプラットフォームが実現できると考えているからです。そのため、インテルの人工知能ポートフォリオは、ありとあらゆる学習形態を網羅しており、ソフトウェアからシリコンまでを1つに束ねて最適化するものとなっています」(郡司氏)

インテルの人工知能のポートフォリオ

続けて郡司氏は今後10年スパンでのインテルの技術革新についても触れ、「プロセッサの進化を考えたとき、コア数も増えるでしょうが、それ以上に大きな変革はコアとは別のところのイノベーションが活発になっていくことにあると考えられます」とコメントした。 その具体例の1つが、同社が「メモリの大変革」として打ち出す超高速メモリ技術「3D XPOINT」だ。近くSSDで提供される予定であり、将来的にはメモリ全般に適用することが見込まれている。こうした技術革新について一通り説明を終えた郡司氏は、会場に次のようなメッセージを送り、講演を締めくくった。

「我々は新しい時代の要請に対応すべく、積極的に取り組んでいます。そしてHadoopの強みは、こうした新しいハードウェア技術と新しいソフトウェア技術が上手に連携できている点にあると言えます。これからも我々はエコシステム・パートナーと共に、多くの企業のデジタル変革期をサポートするソリューションの提供に注力していきます」(郡司氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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