7月6日、7日の2日間にわたり、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて「OpenStack Days Tokyo 2016」が開催された。本稿では、NECのセッション「We are OpenStack Super Integrator! ~現場エンジニアが語る本当のOpenStackとは~」のもようをダイジェストでお届けする。

広がるOpenStackの輪

NEC クラウドプラットフォーム事業部 OSS推進センターの鳥居隆史氏

NEC クラウドプラットフォーム事業部 OSS推進センターの鳥居隆史氏

OpenStackのインテグレータとして、幅広いソリューションを提供しているNEC。セッションでは、そんな同社のさまざまな部門からOpenStackに関わるエンジニアらが登壇し、現場目線でOpenStackの魅力と可能性について語った。

まず、モデレータを務めるNEC クラウドプラットフォーム事業部 OSS推進センターの鳥居隆史氏が登壇し、OpenStackへの取り組みを概観した。鳥居氏は、日本OpenStackユーザー会のボードメンバーでもあり、OpenStack関連のさまざまなイベントに登場している。OpenStackユーザーには、すでにおなじみの顔と言って良いだろう。

氏は、2010年の米国オースティン開催から始まったOpenStack Summitの参加者は回を重ねるごとに増え、2012年のサンフランシスコ・サンディエゴ開催では1,000人、2016年のオースティン開催では7,500人規模に成長したことを説明。「スピード」「コスト」「イノベーション」の3つが原動力になり、OpenStackの拡大が続いていることを強調した。

「『スピード』とは、資源のサービス化やセルフサービス化によって新規サービスなどをすばやく提供できるようになること。『コスト』とは、オープンでスタンダードなプラットフォームを活用することでインフラを安価に構築できること。『イノベーション』とは、多様性に富むエコシステムが形成され、イノベーションを創出する土壌ができてきたことです」(鳥居氏)

OpenStackを利用するには、大きく分けて「ディストリビューションを利用する」「ディストリビューションをベースに改変したものを利用する」「コミュニティのものを利用する」の3つの方法がある。コミュニティ版を使う際は、ディストリビュータやインテグレータのサポートはないが、「Superuser」として自由に利用できる。NECが力を入れているのは、ディストリビューションやそれを改変したものを提供・サポートすることでOpenStackユーザーを支援する「Super Integrator」としての役割だ。

「Super Integratorは、オープンさ、コラボレーション、ダイバーシティを兼ね備えた存在です。OpenStackの取り組みにおける『サポート』、『コミュニティ』、『利用』、『検証』というライフサイクルを回し、ユーザーを支援しています」(鳥居氏)

>> NECのOpenStack担当者が語るユーザー支援の取り組み