IoT活用で日本が取り組むべき3つの課題とは? - 第5回IoT/M2M展 春

[2016/05/23 10:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

新たな価値を創出するビジネスモデルが成否のカギ

一方、日本の取り組み状況はどうか。アビームコンサルティングは昨夏、IoTの取り組み状況を知るためにアンケート調査を実施した。

それによると、まずIoTの取り組み状況については「情報収集中」が38.8%で最も多く、「未検討」が16.3%、「改革テーマ検討中」が16.3%、「デザイン中/導入計画中」が8.2%、「導入中」が6.1%、「導入済み」が6.1%、「展開・改善中」が4.1%、「検討予定なし」が4.1%と続いた。導入計画中や導入済みなどを合わせると20%近くがIoTに取り組んでおり、導入に向けた意欲も半数以上が持っているという結果だ。

また、どのような領域で活用を進めているかについて聞いたところ、「新たな付加価値創出」が16.4%、「生産性や安全性の向上」が12.7%、「業務の自動化/省力化」が12.7%、「製品品質向上」が11.8%、「収益モデルの変革」が10.9%、「予知・予防保全」が10.9%、「既存サービス付加価値増大」が8.2%、「予測精度向上」が7.3%となった。「国内では、総じてサービスの拡大や新たな付加価値創出を志向する傾向が見られた」(永井氏)という。

取り組みが進む中で、課題も明らかになってきた。IoT活用で困っていることを聞いたところ、「全体のロードマップを描けない」が30.2%で最も多く、次いで、「どのようなソリューションを利用すべきか(わからない)」が18.6%、「現場ニーズが不明・予算がない」が16.3%、「導入効果が見えない」が14.0%となった。そのほか、セキュリティなどへの懸念や部門間連携などを課題視している結果が出ている。

永井氏は「調査結果を見ると、導入意欲も高く、取り組みを本格化させようとしているものの、全体のロードマップやビジネスモデルを描くことができずに足踏みしている状況だと言えます」とし、こうした状況に対して、3つの取り組みを進めることがポイントだと提言した。

1つ目に挙げられたのは、「センシングやビッグデータを活用した新たなビジネスモデルの創出」だ。ドイツや米国の例が特徴的だが、センサデータをほかのデータと組み合わせたり、データの分析結果を異なる領域に適用したりすることで、これまでにないサービスが生まれる可能性がある。IoTを活用するうえでは、そうした取り組みを積極的に進めていくことが必要だろう。

2つ目は、「顧客接点の高度化と顧客提供価値の再検討」である。特に製造業にありがちなケースとして、取り組みが現場の生産性向上や業務の効率化にとどまってしまうことがある。IoTの活用を考えるのであれば、顧客にどんな価値を提供できるかまでをあらためて検討することが重要というわけだ。

3つ目は、「国際的な標準化・プラットフォーム化の流れに乗り遅れないための、産官学の協調」だ。2016年4月25~29日にドイツで開催された国際技術見本市「ハノーバー・メッセ 2016」において、IoTに関する日独連携に向けた動きが本格化し始めた。「今後、日本企業のIoTを活発化させていくためには、IICなどとの連携と産官学の協調は必須」(永井氏)だという。

ハノーバー・メッセ 2016における日本関連の主な動き

最後に永井氏は「すでに本格的に取り組んでいる企業もありますが、2016年は、大半の企業がPoC(Proof of Concept)など何らかの取り組みを実施することが予想されます。もはや”待ったなし”の状況と言ってよいでしょう。各企業は、ぜひスピード感を持ってチャレンジしていってほしいと思います」と期待を寄せ、講演を締めくくった。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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ここは、中堅出版社マイマイ出版の情報システム部。まさこさんは、部長から来期のIT事業計画に「IoT」というキーワードを入れて作るように指示されて、何だか困っているみたいです。

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