シスコシステムズは4月6日、昨年9月より提供を開始した中小企業向けソリューションブランド「Cisco Start」の新たな取り組みを発表した。

シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋 慎介氏

Cisco Startは、「シンプル」「スマート」「セキュア」をテーマに、製品提供のみならず、サポート体制や販売体制も含めて中小企業ユーザーを支援していくソリューション。「ビジネスのデジタル化やIoTの波に取り残されないよう」(シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋 慎介氏)、利便性の高いネットワーク基盤を中小企業の現場にも届けることを目的としている。

Cisco Startの提供製品としては、ギガビット対応VPNルータ「Cisco 841M Jシリーズ」、アンマネージド スイッチ「Cisco Small Business 110」「同 300」、802.11ac対応無線LANアクセスポイント「Cisco Aironet 1700 シリーズ」、統合セキュリティアプライアンス「Cisco ASA 5506-X」の4つがあったが、今回、新たなポートフォリオとして、Web会議システム「Cisco WebEx」、クラウドWebセキュリティ「Cisco クラウドWebセキュリティ」の2つのSaaSが追加されることになった。

Cisco WebExの概要

Cisco クラウドWebセキュリティの概要

また、運用の利便性を高める取り組みとして、Cisco 841M Jシリーズの日本語管理画面にアプリケーション可視化機能、接続ブロック機能を追加。さらに、「Cisco SMB マーケットプレイス」を用意し、販売パートナー選びも含めて、製品の導入に必要なものをマーケットプレイス形式で検討できる環境を構築している。

[こぼれ話1] Web会議を導入するなら、不要でもCisco Startのハード購入を

今回よりCisco Startに、Web会議システム「WebEx」とクラウドWebセキュリティ「クラウドWebセキュリティ」の2つのSaaSが追加されたが、これらは当分の間、Cisco Startのハードウェア購入者に対してキャンペーン価格で提供される予定だ。

キャンペーン価格はWebExなら、25ユーザーが含まれる1ライセンスで年間3万7900円。購入は2ライセンス以上なので年間7万5800円~になるが、それでも正規価格はもちろん、競合に比べても圧倒的に安いという。

高橋氏は、「Web会議を導入ならば、不要でもCisco 841M Jシリーズなどを購入したほうが安上がりになります」と説明した。

[こぼれ話2] マーケットプレイスで販売パートナーをどう選ぶ?

今回新たな取り組みとして発表された「Cisco SMB マーケットプレイス」。シスコシステムズは直販を行わない方針なので、同マーケットプライスには販売パートナーを選ぶ機能も含まれている。

しかし、導入企業からすると、顔の見えない中での販売パートナー選びは、製品選定よりも難航する可能性がある。そうしたリスクをどう考えているのか。シスコシステムズの担当者に指針を聞いたところ、選択肢に含める販売パートナーは担当地域ごとに分けていく方針だという。

「Webサイトを通じて導入を進めたいというお客様は、地方の企業の方が強い傾向にあります。そうしたニーズを取り込むのSMBマーケットプレイスの最大の目的です。なので、販売パートナーもサポート地域がなるべく重複しないように登録していく予定です。また、地方の企業は、業種業態別にニーズが異なる傾向にあるので、そのあたりも考慮して販売シナリオを提供していく考えです」(執行役員 マーケティング本部長 鎌田 道子氏)

販売パートナーには、見積り依頼から3営業日以内に返答、SaaSの販売スキルを有する、など登録までに満たすべき条件がいくつかあるという。現在は10社弱だが、まずは50社を目指すという。