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コニカミノルタの自治体向けDXプラットフォーム「Govchois」で実現する業務改革

[2021/05/21 11:00]岩井 健太 ブックマーク ブックマーク

自治体が抱える課題とコニカミノルタの対応策

続いて、コニカミノルタ デジタルワークプレイス事業本部 自治体DX推進部長の別府幹雄氏がGovchoisについて説明した。まず、同氏はコロナ禍で鮮明になった地方自治体の実情として「マニュアルがないから作業分担ができない」「出勤しないと仕事ができない」「電子と紙の混在」があると指摘。

コニカミノルタ デジタルワークプレイス事業本部 自治体DX推進部長の別府幹雄氏

コニカミノルタ デジタルワークプレイス事業本部 自治体DX推進部長の別府幹雄氏

実際に自治体職員が感じる課題としては、業務負荷が高く改善の見込みがない、DXが自分の仕事との関係性が見えない、業務の属人化・負荷の不均等、必要な資料の検索・確認に時間がかかる、リモートワークができないことだという。

これらの課題の原因は、公務員でないとできる仕事(コア業務)/できない仕事(ノンコア業務)の区別ができていない、作業手順書が未整備、ノウハウを蓄積する仕組みがない、紙に依存した業務、改善を言い出しにくい文化、予算不足によるICT活用の停滞などを挙げている。

また、自治体の行政経営や情報システム部門では、国が進めるデジタル・ガバメント実行計画や自治体DX推進計画として、業務システムの標準化・共通化、手続きのオンライン化、AI・RPAなどによる業務効率化の推進、テレワークの推進、デジタルワークスタイル実現のための環境整備に取り組む必要がある。

これらの実情を鑑みて、同社は(1)現状の仕事負荷・内容の可視化、(2)業務手順書整備、(3)業務プロセスの見直しの3点が自治体のニーズであると把握した。

コア業務とノンコア業務を見える化

同社は自治体の業務を見える化するため、全国50以上の自治体と連携して、所属情報や業務構造、業務量データをはじめとした全庁業務量調査を実施。

さまざまな角度からデータを分析し、これまで見えていなかった業務構造、業務量を定量的に見える化するとともに、見える化により業務改革の具体的な優先度付けを可能にしたという。

コア業務とノンコア業務を見える化したことで、効率化・担い手の変更ができるポイントのメリハリをつけた。別府氏は「65%がノンコア業務、35%がコア業務となり、公務員におけるノンコア業務は市民サービスの向上に向けて担い手の変更を検討すべき領域だ」と話す。

コア業務とノンコア業務を見える化した

コア業務とノンコア業務を見える化した

さらに、ノンコア業務の80%は紙に依存しており、脱却する必要性があることから自然言語処理を用いてRPAやAI-OCR導入の候補を抽出し、効果の出せる業務を洗い出し、費用対効果の算定を支援。

加えて、国が進めるシステム標準化17業務の効率化が見込める業務フローを分析し、To-Be(将来のあるべき姿)フローを7つにパターン化した。

そして、同氏は「モデル的な業務フローを作成しなければシステム標準化への移行が困難になる。業務の標準化とシステムの標準化はセットで考える必要があるため、当社が保有する業務量調査データと業務手順書データを用いて標準化を支援することもできる」と力を込める。

自治体DXプラットフォーム「Govchois」

このような経緯のもと、自治体DXプラットフォームであるGovchoisが開発されたというわけだ。同プラットフォームは「可視化サービス」「業務分析サービス」「最適化サービス」「標準化サービス」の4つで構成し、その基盤として継続的なBPR(Business Process Re-engineering:業務改革)を支援するための「Govchois Cockpit」を備える。

可視化サービスは全庁業務量調査、業務手順書作成支援を、業務サービスでは業務分析/BPR、RPA導入支援、業務フローの可視化を、最適化サービスは電子申請・チャットボット、AI-OCR・RPA、文書管理・電子簿冊を、標準化サービスでは各種システムの共同利用、標準システムの活用、共同BPO(Business Process Outsourcing)をそれぞれ可能としている。

自治体DXプラットフォーム「Govchois」の概要

自治体DXプラットフォーム「Govchois」の概要

別府氏は、Govchois Cockpitについて「クラウドで業務手順書を一元管理し、全国の自治体と共有することができ、他自治体を参考に業務の見直しに加え、比較による職員自身による業務見直しを支援し、リモートワークを実現できる」と説く。

「Govchois」の全体像

「Govchois」の全体像

Govchoisは、システム標準化17業務の業務効率化が見込める業務フローを80%以上網羅していることから、現状を踏まえたうえで業務別に実現可能な移行を考えることができる。

また、法令にもとづく業務遂行のため、他の自治体と比較することで効果的かつ効率的な仕事の進め方を検討できるほか、移行のための課題を集約して法改正や標準仕様の策定など、国に対しても対応が必要な課題を提供していくという。

システム標準化17業務の業務効率化が見込める業務フローを80%以上網羅している

システム標準化17業務の業務効率化が見込める業務フローを80%以上網羅している

長野県では基幹系業務での共同利用の展開を計画

総務省の2020年度の委託事業では、コニカミノルタは長野県と複数自治体間でのシステム共同利用に向けた実証実験を行い、業務フローと帳票を統一すればシステムは異なっていてもRPAやAI-OCRなどの共同利用は可能であると位置付けている。

2021年度は、総務省の自治体行政スマートプロジェクトとして検証結果をもとに国の基幹系業務システムの標準化を見据えて、基幹系業務での共同利用の展開を計画。

長野県における実証実験の概要

長野県における実証実験の概要

ただ、こうした国内に数多ある自治体の支援は1社では限りがあるため、行政のデジタルシフトを支援することなどを目的に設立した一般社団法人であるオープンガバメント・コンソーシアム(OGC)に2021年4月に加入している。

そして、同コンソーシアムのメンバーで、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を提供するトラストバンクをグループ傘下に持つ、チェンジ 執行役員 NEW-IT担当 兼 ディジタルグロースアカデミア 代表取締役社長の高橋範光氏がゲストとして招かれた。

チェンジ 執行役員 NEW-IT担当 兼 ディジタルグロースアカデミア 代表取締役社長の高橋範光氏

チェンジ 執行役員 NEW-IT担当 兼 ディジタルグロースアカデミア 代表取締役社長の高橋範光氏

両社は今年1月に地方自治体の業務における課題解決や標準化を支援するAIを共同開発し、提供開始したことを発表している。

今回、チェンジは業務量調査支援/BPR支援、トラストバンクは自治体専用Webフォームや自体専用ビジネスチャット「LoGoチャット」(連携予定)、ディジタルグロースアカデミアは業務標準化支援AI、自治体職員向けデジタルリテラシー教育により、グループ各社でGovchoisを支援・連携している。

チェンジはグループ企業各社でGovchoisを支援・連携する

Govchoisについて、高橋氏は「自治体業務の正確な把握力や移行方法の具体化、自治体とデジタル庁の役割の明確化するうえで、自治体が変革を自走していくために必要なソリューションとして大いに期待している」と述べていた。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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