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AIがRPAに与えるインパクトとは - Blue PrismのCTOが説くRPAの「その先」

[2019/03/25 08:00]鈴木恭子 ブックマーク ブックマーク

Blue Prismが掲げる戦略「Connected-RPA」

――Blue Prismは業務自動化の戦略として「Connected-RPA」を打ち出しています。同戦略のなかでは「ユーザーが簡単にAIを活用できるようにする」と謳っています。その具体的な内容を教えてください。

モス氏:RPAの導入で主導権を握るのはIT部門ではなくビジネス部門です。「ビジネス部門が業務フローを見直して自動化できる部分を洗い出し、それを企業全体で導入する」のがRPAの特徴です。ただし、全社的なコンプライアンスやアクセス権の設定といったセキュリティは堅持しなければならなりません。

Connected-RPAとは、IT部門が全社的なコンプライアンスとセキュリティを維持しながらビジネス部門がイニシアチブをとり、業務自動化を推進する戦略です。ビジネス部門にも(業務効率化などの)アイデアを持つ、優れた「デジタルイノベーター」はたくさんいます。彼らのアイデアを具現化する技術を迅速、かつ的確に提供しようというのがConnected-RPAの狙いです。

Connected-RPAの要素の1つに「Blue Prism Digital Exchange」があります。これは、自然言語処理、画像認識、光学文字認識(OCR)、音声対応、感情分析、人工知能(AI)、機械学習(ML)といった、われわれのアライアンス・パートナーが提供する技術を、マーケットプレイスから個別にダウンロードできる仕組みです。アライアンス・パートナーには、マイクロソフトやIBM、AWS、グーグルなどが名を連ねています。

Blue Prismではデジタルワーカーに必要なスキルとして上記の6つを挙げている(出典:Blue Prism)

例えば、AI分野では「Microsoft Cognitive」「Cloud AutoML」「IBM Watson」などがそろっています。顧客は自社の使用用途にいちばん最適なAIをマーケットプレイスからダウンロードし、自社の環境に組み込めるのです。

実際、われわれの大手顧客であるオランダのHeineken Groupは、IBMの「Watson Language Translator Service」(翻訳対象のテキストの言語を自動的に識別し、ユーザーの環境に適したモデルで翻訳するサービス)を活用して、作業の効率化を実現しています。

かねてからわれわれは、「ベスト・オブ・ブリード」で、顧客に最適な技術を提供するようにしています。その理由は(技術の)選択においては、顧客がイニシアチブをとる必要があると考えるからです。

現在のAI市場には、さまざまなベンダーが参入しています。顧客にとって悲劇なのは、特定のベンダーのAIにロックインされてしまうことでしょう。われわれは、AIを核に据えた「インテリジェントオートメーション」の実現に取り組んでいます。

これは、(RPAが)知能/知見を加味し、顧客業務のプロセスパターンに適応した上で、データセットからコンテキスト(文脈)を読み込んだり、業務最適化のためのプランニングとプライオリティの決定をしたりするものです。

AIはRPAに何をもたらすか

――そのAI戦略についてですが、Blue Prismはベスト・オブ・ブリードで「AI機能の選択肢を顧客に与える」としながら、なぜ独自の「AI研究所」を設立したのでしょうか。

モス氏:最初に明確にしたいのは、われわれのAI研究所は、「顧客に提供するAI機能の開発」をする目的で設立されたわけではないことです。ですから「ベスト・オブ・ブリードの方針を転換し、AIを独自に提供することを目指す」という認識は正しくありません。

現在、AI研究所には約10名の研究員が在席していますが、ほとんどが博士号を持った人物で、将来のロボットの在り方を大局的に研究しています。つまり、Blue Prism(ソフトウエア)を「どれだけ賢くできるか」「どの方向で賢くすべきか」を研究しているのです。

――今後、AIやMLはPRAにどのようなインパクトを与えると予想していますか。

モス氏:例えば、Blue Prism(ソフトウエア)には過去の業務プロセスをMLが判断し、優先度の高い業務プロセスを提示する「プロセスディスカバリーツール」という機能があります。同機能がさらに自己学習できるようになれば、増加したタスクに対し、人間が指示を与えなくてもロボット同士が自動的に作業を分担するようになるでしょう。究極を言えば、業務の傾向と対策をロボットが学習することで、自律的に業務フローを作成して仕事を仕上げてくれるようになるのです。

今、AIを導入しているユーザー全てが、(利用している)AIのアルゴリズムを知っているわけではありませんね。ここから先は私のアナロジー(類推)ですが、同様のことが(RPAの)ロボットでも起こると考えています。つまり、現在は人間がワークフローを決定していますが、それが必要ない世界になるということです。

具体的にはAIが動的に各ロボットのスケジューリングを変更したり、繁忙期の需要予測をしてロボットを配置したりといった世界です。Blue Prismはソフトウエアをサーバにインストールする「サーバ型」RPAですから、複数のロボットがサーバ内で連携できます。近い将来には「ロボットが独自の考えで動的に作業し、(人間が)気がついたら作業が終わっている」ということも十分起こり得るでしょう。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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