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数億円調達! ルート最適化を1年でビジネスにした名大発ベンチャーの原点

[2018/06/04 08:00]星原康一 ブックマーク ブックマーク

機械学習に頼りすぎない

――柔軟な判定の裏では、やはり機械学習が活用されているのでしょうか?

渋滞予測や揺れ幅などの規則性や傾向の算出には、大量のデータを機械学習で処理しています。

ただし、そうした情報を加味したうえで地図情報と組み合わせて、最適な配送ルートを導き出すという処理には、従来から存在する組み合わせ最適化のアルゴリズムを使っています。この部分が高精度を実現できている理由ですね。

少し前に、某企業が強化学習で配送計画を算出したところ、ベテランドライバーとの整合率が30%以下だったという報告がありました。これはまだ導入段階とは言えない数値ですので、現在のところ、組み合わせ最適化アルゴリズムは必須と言えるでしょう。

本格着手から1年経たずにここまで持ってこれたのも、既存の最適化アルゴリズムを使っているからですね。商用で使えるようにエラーハンドリングは必要でしたが、アルゴリズムを一から作るのと比べると雲泥の差です。

残るは各種データを取り込んだ地図と、ソフトウェアの裏側、外側の部分をどう作るかだけでした。

今後増えるバス停方式配送対応で唯一無二

――なるほど。既存の最適化アルゴリズムを活用しているというお話ですが、オプティマインドのソフトウェアだからこそできる処理もあるのでしょうか?

先ほどの細かい条件もそうですが、もっと大きな話で言うと、「バス停方式配送」を実用レベルで計算できるのはうちだけと言えます。

バス停方式配送とは、配達先各戸の前まで車で移動するのではなく、配送先各戸の中間地点などに車を停め、周囲の家を配送員が回っていくような配送パターンです。たまにドライバーの方が台車に荷物をたくさん乗せてお家をいくつか巡っているシーンを見かけますが、うちのサービスは、あのようなケースで「すべての配送をこなすためには、どの位置に止めて、どの範囲を配達するのが最適か」というのを導き出すのが得意です。

現在、市販のソフトウェアでこうした計算ができるものはありません。学術分野ではいくつか発表されていますが、その中でも弊社のアルゴリズムは世界一の性能を誇ります。

――バス停配送方式は、今後増えていく見込みなのでしょうか?

そうですね、将来的なニーズは大きいでしょう。

例えば、トヨタ自動車が発表した「e-Palette Concept」では、商品やサービスを提供する店舗のような自動車が、完全自動運転で家の付近まで走行してくる様子を紹介しています。

また、最近では、荷物と陸上ドローンを積んだトラックで特定地点まで移動し、そこから自動運転の陸上ドローンを派遣して付近の住宅へ一斉に荷物を届けるという方式も検討されています。

こうしたサービスを展開する際には、配送先や駐車スペースなどを踏まえて、どこに停車するべきかを算出しなければなりません。まさにうちのソフトウェアが得意とする領域ですね。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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