シスコシステムズは4月11日、都内にて「Cisco Collaboration Summit 2018」を開催した。

働き方改革の”その先”を描き出す同カンファレンスのスペシャルゲストとして招かれたのは、ロンドン五輪、リオデジャネイロ五輪で卓球・日本代表を務めた石川佳純選手だ。

昨年12月より、シスコのアスリートアンバサダーを務める卓球・石川佳純選手

シスコアスリートアンバサダーを務める石川選手は、「アスリートの戦い方改革」と題し、現在進行中だという「戦い方改革」や、アスリートにとってのコミュニケーションの重要性などについて語った。

海外遠征の意外な課題とは?

昨年、卓球の世界選手権・個人戦のミックスダブルスで48年ぶりの金メダルを獲得し、今年3月のドイツ・オープンでも女子シングルスで優勝と絶好調の石川選手。司会からドイツ・オープン優勝時にシスコ・チームの全員からクラウド型コラボレーションサービス「Cisco Spark」で寄せ書きが寄せられた経緯を聞き、「ありがとうございます。とても嬉しかったです」と感謝の言葉を述べた。

贈られたメッセージに対して石川選手も、ドイツ・オープンの練習場で撮影した写真やメッセージをCisco Sparkで返したのだという。

世界中を飛び回る石川選手だが、月に1、2回はどこかの国で試合があり、それぞれの試合期間も1~2週間の場合もあれば、3週間に及ぶときもある。そのため、時差をはじめとする環境の変化に負けないよう、体調管理が重要なことは言うまでもないのだが、同時に、コミュニケーション面における課題もあった。

「やはり海外遠征中は、日本のようにすぐに連絡をとったりすることができません。特に、試合の映像をコーチや家族に見てもらってアドバイスをもらいたいと思っても、試合映像は1時間ほどにもなるためデータも大きく、今までは送る方法がありませんでした。

それが、Cisco Sparkを教えてもらい、iPad Proに入れていつも試合に持っていくようになったら、現地で対戦相手が決まったらすぐに、自分の持っている映像をコーチや母親に送って一緒にアドバイスをもらい、研究できるようになりました。とてもありがたいと思っています」(石川選手)

Cisco Sparkでは、チャットやビデオ会議機能のほか、手書きの図・書き込みをリアルタイムで共有するホワイトボード機能や、形式を問わずサイズの大きなファイルを共有できる機能などを提供している。機密保持のため、書き込んだメッセージは全て暗号化される仕組みだ。

日頃からSNSを活用している石川選手だが、個人的な会話や情報が外部に漏れてしまうことを心配しているという。そのため、家族との連絡や試合の作戦についてなど大事な話をするときには、Cisco Sparkを使っているそうだ。

また、石川選手が練習場で練習映像などを確認する際、従来はスマホで見るしかなかったこともあり、長時間に及ぶ映像は確認しづらかった。だが、Cisco Sparkを使うようになってからは、大画面で高画質な映像を共有することが可能になったという。「さまざまな角度から撮影した自身の映像を見て、細かくフォームを確認できるようになった」と喜びを見せる。

「すごく役に立っています。大きな画面に映しても見られるので、ネットに上げた試合映像を皆で見ながら『このプレイいいね』とか、『ここはもっとこうすれば』などと意見を出し合って反省会をしています」と石川選手は笑顔で語った。

東京五輪への意気込みとシスコへの期待

“卓球大国”中国などの強豪選手に勝つためには、データの分析が重要になる。

石川選手は、「卓球は情報がとても大事なスポーツです。対戦相手のコース取りやクセなどを、今まではビデオを見て研究していました。これからはそれに加えて、自分や対戦相手のコース取りやクセをシスコに分析してもらい、数字としても把握できるようになります。とてもありがたく心強いですし、いただいた情報を活用して中国選手にも勝てる自分になりたいです」と意気込みを見せる。

最後に石川選手は、シスコに対する期待を次のように語った。

「今は試合前の研究や、試合後、次の対戦相手への準備などにも『Cisco Spark』を大いに利用させてもらっていて、とてもためになっています。これからは、対戦相手の情報を数字を通しても提示してもらえるというのは、自分にとっても大きなことなので、すごく楽しみです。

自分にとって今の一番大きな目標は2020年の東京五輪なので、そこに向けて一日一日後悔をしないよう練習を積み重ねて、五輪の舞台で最高のプレイをお見せできるよう頑張っていきます」