シスコシステムズは6月1日、慶應義塾大学がクラウドベースのWeb会議システム「Cisco WebEx」を全学で導入したと発表した。

慶應義塾大学では、2008年ごろから一部の教職員がコミュニケーションツールとしてCisco WebExを利用していたが、ライセンス数に制限があり、利用には事前の申請が必要だったため、学生を含む大勢のユーザーが柔軟に活用するのは難しい状態だった。

しかし今後、学術活動のグローバル化に伴い、留学生や海外出張の増加、学部の垣根を越えた協働機会の増大などが考えられ、場所に捉われないコミュニケーションへのニーズがさらに高まることから、Cisco WebExの全学展開が決定された。

導入にあたって採用されたサイトライセンス契約「Cisco WebEx Academic Offer」は、シスコが教育機関向けに提供する全学活用プラン。ライセンス料は、教職員分は通常プランより安価なAcademic Offer価格となっており、学生分は無料となる。

今回導入されたCisco WebExは、慶應義塾共通認証システム「keio.jp」とシングルサインオンの仕組みで連携しており、学生や教職員は、学内システム利用のため大学から付与されるユーザーIDとパスワードでCisco WebExにもログインし、Web会議システムを利用することができる。

導入により、海外の大学や研究機関との円滑な連携のほか、海外へ留学した学生が日本の授業を受講したり、論文審査で海外の研究者が副査として遠隔参加したりといったことが可能になるという。

慶應義塾大学では、学生の学修活動の変革や教員の協働的・学際的な研究の促進、教職員のワークスタイル変革が促進されることを期待するとしている。