元Operaの奇才が開発した「Vivaldi」

【連載】

あなたの知らないWebブラウザの世界

【第1回】元Operaの奇才が開発した「Vivaldi」

[2017/06/01 08:00]後藤大地 ブックマーク ブックマーク

業務アプリケーション

連載目次

インターネットはビジネスに欠かすことのできないインフラになっている。インターネットを利用せずに業務をこなすのは不可能に近い起業がほとんどではないだろうか。常にそこにあり利用できるもの、それがインターネットだ。

インターネットを利用するにはいくつもの方法がある。今ではスマートフォンやタブレットデバイスからアプリを使って利用するというケースが多い。しかし、ビジネスにおいてはWebブラウザから利用するケースが最も大きな割合を占めている。

Net Applicationsの調査によれば、2017年4月におけるデスクトップ向けWebブラウザのシェアはGoogle Chromeが59%で1位、これにMicrosoft Internet Explorer(18.4%)、Firefox(11.8%)、Microsoft Edge(5.62%)、Safari(3.44%)が続いている。

シェアの上ではこれらChrome、IE、Firefox、Edge、Safariが代表的な主要ブラウザということになる。MicrosoftはIEからEdgeへの移行を進めているので、今後のサポートを考えるとChrome、Firefox、Edge、Safariが主要ブラウザということになるだろう。

Google Chrome

シェアの上ではこうしたビッグプレーヤの隣に出てくることはないが、実はWebブラウザにはもう一つの世界がある。Chromiumと呼ばれるソフトウェアをベースにして開発されているWebブラウザだ。いわゆる専用ブラウザとか、カスタマイズ済みブラウザといったものに分類できるのだろう。

Chromiumが作る新しいエコシステム

Google ChromeはChromiumと呼ばれるソフトウェアをベースに構築されている。というか、オープンソースで開発できる部分はすべてChromiumとして開発して公開し、Chromeにまとめるにあたって必要な機能やプロプライエタリな部分を別途追加してGoogle Chromeとしてリリースしている、と考えた方がよい。

つまり、オープンソースソフトウェアとして公開されているChromiumをベースコードとして使えばChromeのようなブラウザを独自に開発できるのだ。このため、世界にはChromiumをベースにして開発されたWebブラウザがいくつも存在している。

すでに開発が終了してしまったものもあるが、多くは活発に開発が続けられている。Chromiumという土台をベースとして、Webブラウザのエコシステムのようなものが構築されている。

本連載では4回に渡ってそうしたChromiumベースで開発されたWebブラウザを紹介していこうと思う。ChromiumベースのWebブラウザは基本性能の面ではGoogle Chromeと同レベルが期待できる。定期的にリリースされるChromeのように、Chromiumのコードを取り込み続けているプロジェクトでは、常に最新のChromeと同じレベルの性能が期待できるわけだ。

ではさっそく一つ目のChromiumベースのWebブラウザを紹介しよう。

跳ねっ返り好みの技巧ブラウザVivaldi

インターネットがコンシューマに普及しはじめ、Webブラウザという存在が一般にも知られるようになっていったころ、ヘビーユーザの心を掴んで離さなかったブラウザにOperaがある。

Operaは高速軽量、さらに新しい概念や機能を率先して実装して草創期のWebブラウザの歴史を作った。こうしたOperaの尖った性格は当時OperaのCEOを努めていたJon Stephenson von Tetzchner氏の存在が大きい。彼の思想の下に興味深い開発がぐいぐい進められていった印象だ。

Tetzchner氏は後にOperaのCEOを退任する。そのころから主要ブラウザのUI/UXはシンプル化が進みどんどん似たものになっていった。最近のデザインはWebブラウザに疎いユーザから見ればどれも同じに見えるだろう。なにかこう、Webブラウザごとの特徴が薄くなっていた感じがしている。

Vivaldi

そこでTetzchner氏である。彼はいまのWebブラウザでは満足できないとし、Chromiumをベースとした新しいWebブラウザVivaldi(ビバルディ)の開発に取りかかった。WebブラウザのUI/UXがどんどん似ていく中、Vivaldiは独自のUI/UXの開発を進めている。

現在存在するChromiumベースのWebブラウザとしてはVivaldiがもっともコンシューマ向けだ。独自の機能や概念を丁寧に作り込んでいる。ユーザがカスタマイズして自分のWebブラウザに仕上げることができる。こうしたVivaldiの色はTetzchner氏の存在が大きい。流されずに我を貫き通すがゆえに魅力的だ。

日本はOperaユーザが多かった国でもあるのだが、現在ではVivaldiユーザが多い国にもなっている。草創期のOpera的な雰囲気は日本のアドバンストユーザ好みなのだろう。そうなれば当然Vivaldiにも食指が動くというわけである。

Vivaldiは、Chromeでもよく使われるエクステンションはデフォルトで実装するという方針をとっている。その方が高速化が期待できるからだ。試しにGoogle Chromeと同じ環境をVivaldiで実現してみてほしい。利用するエクステンションの数が減ると思う。

真っ向勝負を避け、こだわりで勝負する

資本規模で考えても開発者の数を考えてもVivaldiがChromeの開発と真っ向から勝負するのは難しいところがある。だからこそこだわりをもった開発だ。こだわるべきところにこだわり、妥協してはいけない部分は妥協しない。Vivaldiは使っていてその開発姿勢が伝わってきて心地よい。ベースはChromiumなのでGoogle Chromeのエクステンションが使えるし、美味しいところはきっちり押さえている。

シェアの上でも、機能の上でも、現在ではGoogle Chromeが使用するWebブラウザの第1候補となるが、もし今のブラウザに物足りなさを感じているのであれば、一度はVivaldiを使ってもらえればと思う。細かいUI/UXは使いやすく仕上げられており、いろいろとほかのWebブラウザにはない機能も備えている。「Webブラウザとは自分の使いやすいようにカスタマイズして使うものだ」ということを教えてくれるようなプロダクトだ。

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主要ブラウザのシンプル化が進みUI/UXがどんどん似たものになっていく中、独自のこだわりで開発を続けているのがVivaldiである。Operaを生み出したTetzchner氏が開発するChromiumベースのWebブラウザは、日本のアドバンストユーザにマッチするだろう。

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