IoTで作業員の転倒通知、ドライバーの眠気検知も - 写真で見る最新ソリューション

[2017/02/16 08:30]星原康一 ブックマーク ブックマーク

業務アプリケーション

2月14日、東京都港区の明治記念館にて、企業向け最新ICTソリューションを紹介するカンファレンス「富士通マーケティングフォーラム2017」が開催された。

同カンファレンスでは、11のセッションが用意され、経営ノウハウやマーケティング手法、サイバー攻撃動向などが解説されたほか、63の展示ブースにより最新ICT技術を活用した近未来のソリューションが披露された。

本稿では展示ブースの中から特徴的だったソリューションを紹介する。

作業員が倒れたらすぐに通知! ウェアラブルデバイスによる安全管理

まずはIoTの活用で先行する製造業向けのソリューションから取り上げよう。

今回設置された製造業向けブームは実に16に上った。なかでも、目に付きやすい入口付近に展示されていたのが、ウェアラブルデバイスを活用した作業員の安全管理支援ソリューションである。

「バイタルセンシングバンド」「ロケーションバッジ」という名称のウェアラブルデバイスを活用して、作業員の置かれた状況あるいは作業員自身の状態を可視化するというものだ。

ロケーションバッジは、その名のとおり、主に現在地を知らせる用途のデバイスになる。収集できる情報は多くはないが、小型で体のさまざまな場所に取り付けられるのが大きな特徴。Bluetoothを活用したビーコン機能で従業員の居場所を特定できるほか、加速度センサーにより従業員の転倒なども検知することが可能。転倒後、立ち上がれたかどうかも判定することができる。

ロケーションバッジ

作業服の邪魔にならない部分に設置する想定

一方のバイタルセンシングバンドには、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、脈拍センサー、加速度センサー、Bluetooth機能などを搭載。各作業員を取り巻く環境がどういう状態にあるのか、脈拍がどのように変化しているのかなど、多様な情報を収集することができる。

バイタルセンシングバンド。穴の部分は、気温や湿度などを測るセンサーが埋め込まれている

異常を検知するとアラートがあがる

いずれのデバイスを利用した場合も、異常を検知した際にアラートを上げたり、各作業員がどのエリアにいるのかを把握したりできる。スマートフォンをゲートウェイとして活用するかたちをとれば、屋外の作業者でも情報収集が可能だ。

ビーコンセンサーの保守作業負荷を軽減するために

上記ソリューションでも活用されているが、施設内にいる従業員の現在地を把握するために活用されるのが、Bluetooth通信で周囲の従業員を認識するビーコンセンサーである。

このビーコンセンサー、工場内に多数設置された場合、その管理が大変になるケースも少なくない。特に電池で動作するセンサーの場合、電池切れの確認や電池交換の作業負担は馬鹿にならない。

こうした課題を解決するソリューションとして今回参考展示されていたのが、ニッタンと共同開発した次世代火災報知センサーだ。

火災報知器は、消防法で半年に一度以上の点検が義務付けらている。したがって、どの建物でも管理者の業務に点検作業がすでに組み込まれているわけだ。そこで火災報知機とビーコンセンサーを一体化させて一緒に点検できるようにすれば、保守の負担が少なくなるという考え方で開発されている。

一体化とはいえ、火災報知機自体に新たな機能を追加するのは安全面を考慮すると好ましいことではない。そこでニッタンと富士通では、火災報知機を取り付ける土台部分にビーコンセンサー機能を搭載する設計を採用した。

現在は、消防機器の監督団体に認可を申請中。そのため、今回のカンファレンスでは参考展示というかたちをとったが、承認が得られ次第、販売を開始する予定だ。

火災報知機と一体となったビーコンセンサーをニッタンと開発。火災報知機を取り付ける土台部分にビーコンセンサーが埋め込まれている

特許技術で、製造ラインのセンサーデータわかりやすく可視化

センサーを使って収集した大量のデータをいかにして見やすくするかは、製造業が数年にわたり向き合ってきた課題である。この課題に一つの解決策を提示したのが「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VisuaLine」である。

同製品は、横軸に工程、縦軸に時間をおいた独自のグラフで状況の変化が一目でわかるUIを実現している。この可視化技術は特許出願中だ。

同製品では、グラフ上の線の間隔が一定ならば正常運転。間隔が開いたら、何らかの理由で作業に遅れが生じたことになる。現場の人間でも気付かないようなわずかな停滞も容易に発見できるため、ロスを最小限にとどめることが可能だ。

工場ラインのセンサーから収集した想定の数値。そのままでは異常値がわかりづらい

横軸に工程、縦軸に時間をおいて線形グラフに。間隔が乱れた部分で異常値が発生している

そのほか、展示会場には、人や機材の稼動状況など、工場全体の情報を可視化するダッシュボード「Intelligent Dashboard」も展示された。ビーコンセンサーと連動してどこの工程で何人稼動しているのか、それは予定の人数と比べて何%なのか、機材がどれくらいの稼働率なのか、などが一目でわかるダッシュボードで工場全体の”健康状態”を容易にチェックすことができる。

Intelligent Dashboardの画面。作業員の場所や機材の稼働状況がビジュアルに表示される

視界を遮らない、現場作業向けヘッドマウントディスプレイ

ここまではいずれも見える化のソリューションだったが、富士通では現場の作業を支援するソリューションも開発している。「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ」はその最たる例だろう。

このデバイスは、一般的なヘッドマウントディスプレイとは異なり、視界を遮らない点が大きな特徴。鼻の横あたりに小型のディスプレイが固定され、視線を動かすだけでディスプレイの内容を確認できる。両手が塞がらない状態でマニュアルなどを確認することが可能だ。

側頭部にはカメラが搭載されているため、作業員の視界をネットワーク越しにオペレータらと共有することもできる。もちろん、マイクを使って会話する機能も備わっている。

モニタの操作は、音声コマンドもしくは専用のデバイスから行える。作業記録用に写真を撮影する場合も、「しゃしん」と発声するだけで自動的に記録される仕組みだ。

装着しているのがFUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ。右前方にあるのが小型のディスプレイ。右側頭部にカメラがある

専用の入力デバイス。音声コマンドで操作することも可能

ディスプレイにはさまざまな情報を表示可能。写真にはディスプレイの一部しか写っていないが、カメラ映像の上に操作メニューが表示されている。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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