低迷する日本の社員エンゲージメント、調査で解明されたキーワードとは?

[2016/10/12 09:00] ブックマーク ブックマーク

調査で明らかになった、社員エンゲージメントと業績の関連性

エーオンヒューイットでは、社員エンゲージメントを「語る」「留まる」「努力する」の3つの行動パターンで測っているという。「語る」は、いかに自社のことをポジティブに語るか、「留まる」はその企業に長く勤めたいと考えるかどうか、「努力する」は困難に対して立ち向かえるかどうかを指す。

エーオンヒューイットジャパン シニアコンサルタントのヤン・ジィヨン氏

エーオンヒューイットジャパン シニアコンサルタントのヤン・ジィヨン氏は、「今、社員エンゲージメントは世界的に注目されているだけではなく、日系企業でも海外進出しているところは特に、強い関心を抱いています。調査でも、社員エンゲージメントがビジネスと密接な相関関係があることが明らかになりました」と説明する。

例えば、社員のエンゲージメントレベルが高い店舗は、顧客満足度が他店舗に比べて5%高かったり、エンゲージメントレベルが5%上昇すると売り上げが3%増加したりと行った具合だ。また、業務効率の点から見ても、エンゲージメントレベルが高い工場はほかの工場に比べて品質上の欠陥率が75%低いのだという。さらに人材活用においては、エンゲージメントレベルが高い社員は、その他の社員と比べて、組織に留まる可能性が36%高いという結果が出ている。

今回発表された2015年の調査結果では、多くの国の社員エンゲージメントが60%前後に集中しており、グローバル平均は65%。これはつまり、100人のうち65人が自社と仕事に対する愛着心を持っているということを意味する。そうした中で、日本の社員エンゲージメントは40%未満となっており、突出して低い。

グローバルにおける社員エンゲージメント動向

他国とこれだけ大きな差があるのは、なぜなのだろうか。エーオンヒューイットが調査したところ、日本で社員が企業に求めるのは、自分が成長するための「キャリア機会」、正しい評価が得られる「業績管理」、社員からアイデアを収集する環境を整えているのかという「イノベーション」、自分が目指すものを実現できるのかという「キャリア志向」という結果が得られたという。

「これら4つの項目に共通するのは、『社員はその会社で成長したいと望んでいる』ということです」とジィヨン氏は説明する。

一方、企業側は社員に何を望んでいるのか。ビジネス目標を達成する上で、人材面でリスクが高く、影響を与える要素として、「コアスキルの不足」「後継者育成の不足」「人材の流出」が浮かび上がった。つまり、ビジネスを牽引する人材が不足しているということだ。こちらも、人材の「成長」がカギとなる。

ジィヨン氏は、同社のタレントマネジメントフレームワークに照らし合わせ「日本企業の成熟度が低いのは、高い業績を挙げる人材を育成するための文化形成と、人材のコアスキルの開発面です。言い方を変えれば、この2つの領域において、社員が求めるものと企業が求めるものがリンクしています。この部分を改善していくことが、日本企業の社員エンゲージメントを高める1つの切り口になるのではないでしょうか」と提起した。

もちろん、人事部門も採用からトレーニング、人材配置、給与報酬制度など、さまざまな施策を実施しているはずだ。だが、それらの施策が一貫性を持って整理されていないために、十分な成果が得られていないのである。

「整合性の取れた人事制度を運用していくには、企業が持つ膨大なデータのうち、どのデータがビジネスに役立つのかという観点で分析しなければいけません。ただ離職率を計算するのではなく、『コンピテンシーを持つ人材の離職率』のように特定した人事データが必要です。また、分散しているデータをいかに集めて分析・解釈するのか、そのためにどういったテクノロジーを活用するのかという点も重要になります」(ジィヨン氏)

コーナーストーンオンデマンド バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー アジア・パシフィック・日本 フランク・リッチャルディ氏は、「人事の世界においては、テクノロジーという拍車をかけることで、エンゲージメントをより高めることができます。そして、エンゲージメントを高めるタレントマネジメントは、戦略です」と強調する。

氏によれば、採用から学習・人材開発、業績管理、報酬管理、後継者育成まで、人事に関わる各種のプロセスを別個に実施するのではなく相互に連携して行うことで、整合性が取れ、社員により良い体験を提供でき、エンゲージメントが高まるのだという。

コーナーストーンオンデマンドが考えるタレントマネジメントを構成する要素の相互関係

リッチャルディ氏は、コーナーストーンオンデマンドが提供するタレントマネジメントソリューション「コーナーストーン」を紹介し、「コーナーストーンは管理のためのシステムではなく、エンゲージメントのためのシステムです。人材管理におけるどのプロセスからでも導入できるので、どんな企業でも自らの課題となっているところから使い始められます」とアピール。日本においても300社以上が導入していることを示した。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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