2ndステップに突入したデジタルワークプレイス、考え方と成功事例 - ガートナー 志賀氏

[2016/08/18 09:00] ブックマーク ブックマーク

業務アプリケーション

「デジタルワークプレイス」への期待が高まる理由

市場に提供されているさまざまなITツールを活用し、社内さらには社外も含めた情報共有/コラボレーションを促すことへの期待は、企業の間でますます高まっている。そうした中、ガートナーでは、働く場をよりデジタルに変えていく「デジタルワークプレイス」という考え方を提唱している。

ガートナー ジャパン リサーチ部門 インフォメーション・コラボレーション バイスプレジデント、志賀 嘉津士 氏

ガートナー ジャパン リサーチ部門 インフォメーション・コラボレーション バイスプレジデント、志賀 嘉津士 氏はこうコメントする。「ワークプレイスのデジタル化を含めて我々はデジタルワークプレイスと呼んでいますが、別に特定のパッケージがあるわけではありません」

志賀氏によると、デジタルワークプレイスの重要なポイントは、「エンゲージメント(人と人との結びつき)とアジリティをITによって創出すること」にあるという。

情報共有やコラボレーションにおいても、これまでのITはバイモーダルで言うところの「モード1」であった。ちなみにバイモーダルとは”2つの流儀”を指し、まず1つ目の流儀である「モード1」では、従来的であり、拡張性、効率性、安全性、正確性を重視する。そして2つ目の流儀の「モード2」は非連続的であり、俊敏性とスピードを重視する。

モード1の情報共有/コラボレーションでは、記録をしっかりと残すことに重きが置かれており、IT部門に対してもビジネス成果まではあまり求められてはいなかった。それが「モード2」になると、情報共有/コラボレーションによるイノベーションが問われてくる。

「こうなってくるとIT部門だけで完結できる話ではありませんので、経営層や労務管理を担う人事部門なども巻き込んでいく必要があります。例えばITを活用して在宅勤務を始めるとなれば、人事制度から見直す必要がありますし、また在宅勤務によって個人の生産性が上がれば、外部の人間もこの会社で働いてみたいと考えるようになり、いい人材が集まりやすくなるでしょう。これは経営課題の領域ですよね。それだけ、これからの企業にとってデジタルワークプレイスの存在は大きいということです」(志賀氏)

メールからの脱却で新たなワークスタイルに対応

あるアンケートによると、現在もビジネスコミュニケーションの8、9割には依然としてメールが使われているという。

志賀氏は言う。「IBMやマイクロソフトといったメール基盤ソリューションの主要なベンダーが、その機能を年々進化させて来ましたが、ある意味そうした技術革新の結果が、現在のメール偏重につながっているという側面も否定できないでしょう。あくまでメールは『モード1』のツールであることを忘れてはなりません」

また、日本企業のグローバル進出が進むのに伴い、働く場所もまたグローバル化している。地球の裏側にいる人々とも共に働かねばならないとなれば、組織のダイバーシティが重要になってくる。

「つまり、これまでは同じオフィスに居る人同士のコラボレーションでよかったのが、今では自宅にいる人とも、地球の裏側にいる人とも、場所の壁を越えてコラボレーションすることが求められているのです。そうなると、チームワークや人と人とのつながりのかたちも変わってきますので、そうした変化に対応できるツールが、デジタルワークプレイスを創出できるのです。Web会議やチャット、ソーシャルネットワークなど、デジタルワークプレイスを実現する新しいメディアを活用することで、かなり立体的なコミュニケーションが可能になります」(志賀氏)

例えばビデオ会議であれば、ちょっとした表情によるニュアンスもリアルタイムに伝わるなど、意思疎通がスムーズになるし、Videoメッセージならば、時間や距離を問わず誰にもわかりやすく情報を伝達することができる。これにより、チームワークが強化されていくと同時に、組織のアジリティもまた向上していくのである。

デジタルワークプレイスの特徴

デジタルワークプレイスのIT面での特徴として、次のような側面を挙げることができる。

まず、コンシューマーテクノロジーに学んでいる点が特徴的だと言える。ビジネスにアジリティをもたらすことのできる新しいテクノロジーは、企業ITの「外部」に存在しており、それはコンシューマーITの世界で使われているテクノロジーである。それらのテクノロジーをビジネスにおいても安全に使えるようにしたのが、チャットやソーシャルネットワークなどのデジタルワークプレイスに関わるツールである。

次に、IT部門がビジネスに直接関与していくという特徴もある。これまでの「モード1」の世界のITでは、IT部門にはユーザーにいかに使って貰うかが求められる一方で、使った結果であるビジネス上の成果までは関与する必要はなかった。

志賀氏は強調する。「しかし、『モード2』のITでは、IT部門にもう一歩踏み込んでもらい、もっと成果につなげるようなかたちにしていこうという考え方になります。なので、今までのIT部門のスタンスでは難しく、ITスタッフの意識の変革や、組織そのもののあり方も変えていく必要があるのです」

>> 日本企業のデジタルワークプレイス導入成功事例

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2ndステップに突入したデジタルワークプレイス、考え方と成功事例 - ガートナー 志賀氏
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市場に提供されているさまざまなITツールを活用し、社内さらには社外も含めた情報共有/コラボレーションを促すことへの期待は、企業の間でますます高まっている。そうした中、ガートナーでは、働く場をよりデジタルに変えていく「デジタルワークプレイス」という考え方を提唱している。

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